【ECコンサルタントによる「勝手にECサイト分析」】38 ジャパンEコマースコンサルタント協会 中谷昌弘理事〈「エンジンオイル屋」〉/安心感を植え付け分かりやすい導線を構築
ウェブショップでは、専門知識を持ったウェブマスターがその専門職へ販売する場合と知識を持たない一般ユーザーに販売するパターンがある。
例えば、スポーツのプロ選手向けに競技用具を販売する場合と、趣味として競技をしているアマチュア向けにその競技用具を販売するパターンだが、前者は販売する際に専門用語で説明をしてもなんら問題はない。
むしろ専門用語を使わないで販売している場合に、プロショップとしての信用性を疑われてしまう場合などもあったりする。
一方、後者の場合は、専門用語を駆使して商品説明をすることは購入を検討している人に戸惑いを生じさせてしまい、コンバージョン率が下落してしまうことになりかねない。
今回の「勝手にECサイト分析」でご紹介するウェブショップは、自動車やバイクのエンジンオイルを主に、メンテナンス用品を主に販売している「エンジンオイル屋」だ。
こちらの販売ページ内では、サイトにバイクのメンテナンス用品を探すプロではない一般消費顧客が訪問しても安心して閲覧できるコンテンツが縦横無尽に張り巡らされている。
例えば、バイクメンテナンス商品のバイクのエンジンさび取り剤「アルミレスキュー」という商品ページを紹介すると、まず最上段には、この商品を使うことによって得られる効果を明快なキャッチで説明している。
次に使用前、使用後の実例写真と、この商品を使うことのメリットの説明、さらには商品の使用方法を動画で紹介。
その後に一般的には商品に同梱される商品利用説明書を注意書きとともに、テキストと分かりやすい写真で詳細に説明している。
このため、購入検討者にとっては購買の決定的決断につながると確信する。
さらに、このページ内ではお客さまからのよくある質問を掲載している。
それは、あたかも実売店に訪問して店員に疑問点を質問して、明快な回答が得られる感じと同一と感じられる。
冒頭、専門用語が購入を検討している人に戸惑いを生じさせ、コンバージョン率が下落してしまうと説明をさせていただいたが、この商品ページ内末尾には「このページの用語解説」としてこのページ内で使われている用語について詳細に説明をしている。
購入を迷っている顧客に対し、ジワジワと安心感を植え付け、誰にでも分かりやすい安心導線を構築していることは大変すばらしいと感じる。
※記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。
JECCICA特別講師 中谷 昌弘(通称:トントン先生)
ハム・ソーセージのウェブショップ通販:北海道トンデンファームウェブショップの開設者。著書には「笑う豚の生活」がある。現在、茨城県および茨城県水戸商工会議所はじめ全国の商工会議所において地域IT戦略の講演を年間200本以上を行い抜群の講座リピート率と満足度を誇っている。全国のネットショップの個別コンサルタントとして20社を超えるサイトプロデュースに活躍中。