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2025年 年頭所感 松本順士

2025年 年頭所感

新年あけましておめでとうございます。本年も皆様にとって希望と成長に満ちた一年でありますよう、心よりお祈り申し上げます。この年頭にあたり、WebおよびEC業界の現状と今後の展望について私見を述べさせていただきます。デジタル社会の急速な進化の中で、これらの分野は日々その形を変えながら、私たちの生活に深い影響を与えています。2025年という転換点において、これらの業界が直面している課題と機会を振り返り、未来への指針を考察いたします。

Web業界の現在:進化するインターネットの役割
Web業界では、インターネットが社会のインフラとしてますます浸透し、その役割が多様化しています。かつては情報提供の場に過ぎなかったインターネットが、現在では生活やビジネスを支える基盤となり、あらゆる分野で重要な役割を担っています。
特に、Web3や分散型技術の進展は注目すべき変化です。ブロックチェーン技術の普及により、インターネットの非中央集権化が進み、消費者がデータの所有権を持つ新しいエコシステムが構築されつつあります。また、AIの進化もWeb業界に大きな影響を与えています。生成AIや自然言語処理技術を活用したツールが次々と登場し、Web上のコンテンツ作成や検索エンジンのあり方を根本から変えつつあります。
一方で、データプライバシーやセキュリティの課題も浮上しています。クッキーの廃止やGDPRなどの規制強化に伴い、企業は新たなマーケティング手法を模索する必要に迫られています。特に、ファーストパーティデータの収集や活用がますます重要になっています。

EC業界の現状:成熟市場における新たな競争
EC業界はここ数年で劇的に成長を遂げ、今や消費者の購買行動に欠かせない存在となりました。しかし、その成長に伴い、市場は成熟化し、新たな競争軸が生まれています。
一つ目の注目点は、消費者体験(CX)の深化です。従来の「商品を売る場所」としてのECサイトから、エンターテインメント性やパーソナライゼーションを重視した「体験を売る場所」へと進化しています。ライブコマースやバーチャルショッピングなど、インタラクティブな購買体験が普及する中で、企業はいかにユニークで魅力的な体験を提供できるかが勝負の分かれ目となっています。
また、物流や環境問題も重要な課題として浮上しています。即日配送や翌日配送への期待が高まる一方で、物流コストの上昇と環境負荷の増大が避けられない現実となっています。その解決策として、サプライチェーンのデジタル化やラストワンマイルの効率化が進められています。環境負荷を低減するために、カーボンニュートラル配送やリサイクル可能な包装材の採用が急務となっています。

未来展望:WebとECの融合がもたらす新たな価値
2025年以降、WebとEC業界はさらに融合を深め、新たな価値を創造していくでしょう。その未来を読み解く上で、次の三つのテーマが鍵を握ると考えます。
1. 超個別化の進化
AIとデータ活用の高度化により、消費者一人ひとりに最適化された体験が提供される時代が到来します。ECプラットフォームでは、消費者の行動データを基にした精緻なレコメンデーションや、個別化された広告が一般化するでしょう。さらに、バーチャルアシスタントを活用したパーソナライズドショッピング体験も広がると期待されます。
2. 持続可能性と倫理的配慮
消費者の意識が変化する中で、環境への配慮や社会的責任が企業の競争力を左右する要因となっています。WebとEC業界では、グリーンテックや循環型経済の考え方を取り入れた取り組みが増えるでしょう。たとえば、デジタル広告のエネルギー消費削減や、製品のライフサイクル全体を通じた環境負荷の軽減が求められます。
3. 新しい仮想体験の創造
メタバースや拡張現実(AR)技術の進展により、WebとECの境界線がさらに曖昧になります。仮想空間内でのショッピングやイベントの開催が一般化し、ブランドはリアルとバーチャルを横断した一貫性のある体験を提供する必要があります。また、Web3技術を活用した分散型プラットフォームは、消費者と企業の関係性を透明化し、新しい信頼構築の形をもたらすでしょう。

人材と組織の役割
これらの未来を実現するには、適切な人材育成と組織の柔軟性が不可欠です。特に、デジタルスキルに加え、クリエイティブな発想や社会的課題への理解を持つ人材が求められます。また、多様性を受け入れ、異なるバックグラウンドを持つメンバー同士が協力し合う環境を整備することで、革新が生まれやすくなるでしょう。

2025年は、WebとEC業界が次の成長段階に進むための重要な一年です。技術革新が進む中で、人間中心の視点を忘れず、持続可能な未来を共に築いていくことが求められます。本稿が、業界の一員として未来を考える上で一助となれば幸いです。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

松本順士プロフィール写真

理事 松本順士

1980年4月28日 大阪出身
【経歴】
1997年 17歳の時に当時BBSを使いネットでアパレルの販売を開始。
2004年 EC運営会社 アートデコ株式会社を設立
2007年 レディースアパレルブランド 「GRL グレイル」を立ち上げ
2008年 初年度売上4億円を突破
2011年 年商30億突破
2011年4月 アートデコ株式会社を売却
2011年6月 WEB・EC業界を変えるため、コンサルティング業を開始する。
2013年1月 コンサルティング流通額 60億を突破
レディースアパレルブランド 「GRL グレイル」の元代表取締役
GRL グレイルを4年で30億の売上を上げたノウハウでWEB・ECコンサルティングを行っている。
・ウレル運営代行
・ウレルサイト制作
・ウレルプロモーション
・人材育成から、システム設計
WEB・ECで物を売るためのことをすべてコンサルティング

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