上位表示は検索エンジンだけじゃ無い!SNS上位表示の攻略法
サードパーティCookie廃止の流れで再注目のSNS上位表示
前回までで、いかにサードパーティCookieの廃止で何が起こるのか、マーケティングで打つべき施策をお伝えしてきました。詳細は前記事をご参照いただくとして、20文字以内でまとめると「従来の優良見込み客との接点が無くなる」ということです。少なくともこの原稿の執筆段階である2021年7月21日時点では、「サードパーティCookieに替わる技術」は実用段階になく、2023年まではお預け状態です。
一方で「サードパーティCookieに替わる方法」はいくつか存在します。たとえば、そのひとつが検索エンジンでの上位表示、いわゆる「SEO」です。ただしアルゴリズムの刷新があるたびに検索順位が大きく変動し、「有効ではあるが安定的では無い」マーケティング手法でもあります。そこで本日ご紹介するのがこちら「SNS上位表示」、特に日本では有効な方法が「インスタグラムの上位表示」です。
日本で有効な「インスタグラムの上位表示」テク
SEOでいえばYahooよりもGoogleのほうがロングテール戦略が有効なように、同じようなアルゴリズムが使われているはずなのに「ユーザの特性」によってその効果は変化します。同様に、インスタグラムの上位表示は、国外よりも日本ユーザのほうが「コントロールしやすい」といえます。理由は単純で、インスタグラムの公式データによると日本のユーザはインスタグラムの「ある機能」を好んで使っているからです。2020年11月26日、Facebook Japanが開催したマーケティング担当者向けイベント「House of Instagram(#インスタハウス)」が行われました。
このイベントでは、その「ある機能」は日本以外の国と比べて「5倍」活用されていると紹介されました。それが「ハッシュタグ検索」です。
上位表示の要件「シグナル」をハッシュタグで攻略するには
SNSを投稿しているのに、フォロワーが増えない、反応が無い、事業への貢献性が見えない!確かに、投稿内容の品質やユーザ目線に立ったコンテンツ作りは重要です。
ただ、そこに「インスタグラムの上位表示」の特性を理解した戦略がなければ、最大で「2倍」取りこぼしていることになるようです(インスタグラム談)。ここでいう上位表示とは以下の通りです。ストーリーズでは左に、フィードでは文字通り上位表示がポールポジションですよね。
え?ストーリーズ、というお声もあがるケースがあるのですが、サムライト株式会社様のリサーチによると圧倒的な閲覧数を誇っており、ストーリーズをあまり使われて居なかったかたはぜひこの機会にとらいされてみてください。
スタンプや@などの併用やIGTVの告知などハブ的要素も大変効果的に機能します。このストーリーズやフィードで上位表示させる要素がインスタグラムでは「シグナル」と呼んでいて、重要なポイントは以下の3つになります。
つまり「ユーザーの趣味嗜好」「ユーザーとの親密度」「記事の鮮度」の3つの要件のうち、ハッシュタグは「ユーザーの趣味嗜好」「ユーザーとの親密度」において、極めて高い効果を発揮します。実はこのアルゴリズムそのものは2018年頃からインスタグラムの海外セミナーなどではよく知られた情報でしたので、弊社でも少し日本向けにアレンジして各クライアント様に実践していただいたのですが、ユーザとの関係性を指し示すエンゲージメントKPIが数倍になり、ECサイトにおけるインスタグラム経由の収益性が大きく改善されています。
上位表示に有効な各種ツールを使いこなす
まず準備として、日常的にインスタグラムの公式ブログをチェックしてビジネスに有利な情報を収集します。初めてご覧になるという方は、2020年4月頃からの記事で良いので十分にチェックすることで、やみくもに経験値や周囲の噂では無く、根拠のある基礎対策が可能となります。
https://business.instagram.com/blog/?
こうした情報を元にインスタグラムの上位表示の実践を繰り返すことで自社だけのノウハウ・知見を蓄積してください。次に有益な無料ツールとして、インスタグラムをビジネスアカウントに切り替えることで利用可能となる公式ツール「インサイト」をお薦めします。
このツールで得られる数値と毎回の投稿の結果を分析することで自社の目指すべきエンゲージメントKPIが明確になってきます。
そこで、更に効果を高めるためにSNS業界では古参の「HootSuite」の有料ツール「インスタグラム用のアナリティクス」を導入すると比較的安価に最大効果を得られるでしょう。
このツールの特徴は、公式インスタグラム・インサイトよりも詳細にインスタグラムの分析を追跡できる点です。作業の自動化にもつながります。
現時点で、インスタグラムの上位表示で最も効果的な機能が「ハッシュタグ」であることに間違いはありません。
つまり、最大30まで許されている「ハッシュタグ」をシグナルを十分に理解したうえで「3つの役割」に分類して、「ちょうど良いハッシュタグ」を選定します。
この「ちょうど良い」には、一般的な基準はなく、自社アカウントが獲得したい「見込み客の特性」に最適化させることで成功します。
アカウント毎に特性が異なる為、弊社では上記にご紹介したツールをはじめ、有益なツールを使ってクライアント毎に調査し、最も効果的なハッシュタグを選定・提供しています。
注意点としては常に同じハッシュタグを使っていると、最悪スパム判定を受けてアカウント自体が停止となるケースもあるため、ある周期で適宜変更して投稿することが重要です。
これ以上は、弊社サービスのネタばらしになってしまいますのでご興味のある方はぜひ弊社サイトを訪れていただければと思いますが、まずは公開できる範囲でご紹介いたしました本記事を参考いただき、あと数年は続くと予想される「従来の優良見込み客との接点」の減少対策としていただければと思います。
JECCICA客員講師 宮松 利博
得意分野/Eコマースの立ち上げ・販売拡大
1998年に公開したフリーウェアがヒット。その知見で開発した商品が大手ECコンテストで12部門受賞、3年で年商20億円に(現ライザップ)。上場と同時に保有株を売却し、ECコンサルティング会社を立ちあげ、業界No.1クライアントを多数抱える。日本イーコマース学会専務理事。