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商品名は口ほどに物を言う

楽天サーチのための商品名最適化

「楽天市場で出店しているのですが、どうしたら売れるようになりますか?」よく耳にする質問です。18年くらい前でしたら、「プレゼント企画やスーパーオークションでメルアド集めてメルマガで売りましょう」と答えたかも知れません。
売上を上げる手法も時とともに変化し、

〔特集ページなどのバナー広告やメルマガ広告〕
  ↓↓↓
〔楽天内リスティング広告〕
  ↓↓↓
〔楽天内検索〕

スマホで注文されるお客様が多くなった今般も、インターネットのショッピングモール内の「商品検索」で上位表示させる方法は、モールに出品している多くの出品者が今なお模索するテーマです。モールの商品検索アルゴリズムは、モール独自のもので、頻繁に変化し、その根幹にあるのは、「ユーザーニーズを満足させる検索精度」と「モールの利益」です。楽天市場も例外ではありません。

楽天内検索アルゴリズムの詳細を知っているのはモールの検索エンジン開発に関わっている一部の開発者のみで、出店者は経験を基づいて推測するしかありません。

楽天内検索で表示される商品は、ユーザーが検索するキーワードとマッチしていることが必須で、楽天市場が定める〔検索対象項目〕にキーワードが入っていないといけません。その〔検索対象項目〕は、

・商品番号
・PC用キャッチコピー
・モバイル用キャッチコピー
・商品名
・PC用商品説明文
・モバイル用商品説明文

テレビCMなどで露出される人気商品が売れるからといって、〔商品名〕以外の〔検索対象項目〕に「購入するとテレビで人気の△△サンプルプレゼント!」などと商品に関係ないキーワードを埋め込んだ場合、検索「△△」でヒットしますが、ユーザーは「自分が探しているのはこの商品ではない!」と検索精度が悪いと評価されモールに対する信頼度が落ちますし、そのように誘導された商品ページで買い物はしないでしょう。

楽天市場のトップページヘッダーに〔キーワードから探す〕の検索窓があり、通常そこで商品検索するわけですが、その検索窓の下に〔検索ワード〕が並んでいます。例えば〔iPhoneケース〕をクリックすると、

全ディレクトリID:560271
スマートフォン・タブレット >> スマートフォンアクセサリー >> スマートフォンケース

に ひも付くスマートフォンケースが、全 5,768,631件ヒットします。

これだけの商品群から目当ての商品を探し出すのは至難の業と思います。画面左サイドナビには、価格での絞り込みに続いて、

・メーカー
・スマホケースのタイプ
・モバイルキャリア
・スマホ・携帯電話ケースの素材
・対応端末
・スマートフォン・タブレットシリーズ
・カラー

などの絞り込みが出来るようになっています。

この絞り込み検索は、商品に設定(ひも付け)する「タグID」によって行われます。例の全ディレクトリID:560271には、1,350の「タグID」が用意されており、これら「タグID」を適切に設定することで、ユーザーが求めている商品の検索精度を高めます。「全ディレクトリID」においても、商品の絞り込み検索の精度を高める上で、適切に設定することが重要になります。

「全ディレクトリID」は、年に数回更新されており、2018年10月31日現在の最新更新ファイルが、ichiba_genre_list.csv (16,254レコード)です。楽天市場では、全ディレクトリIDリストの更新時に楽天システムが機械的に自動更新するため、店舗が思うその商品のカテゴリと乖離している場合があります。また、全ディレクトリIDにひも付けされる関連タグIDリストは、更新されても楽天システムによる自動更新はなく、繰り返される更新により不適当な「タグID」の設定があるのではないかと思います。2017年10月末まで「全ディレクトリID」が約40,000件あったものが、約40%の16,254件になったことから現在設定されている「全ディレクトリID」は、店舗が思うカテゴリと乖離している可能性があるものと思います。

【旧全ディレクトリID】:半角数字6桁、先頭1~5 (40,000)
【新全ディレクトリID】:半角数字6桁、先頭1~5 (16,254)

食品&飲料の「タグID」は現在、半角数字7桁、先頭1ということになっていますが、
「タグID」については楽天市場による自動更新がないため、過去の7桁、先頭5の
旧タグIDを使用している店舗さんも多くみられます。

商品に適切な「全ディレクトリID」や「タグID」が設定されているか確認する補助ツールで、実例を見てみましょう。

この補助ツールでは、「全ディレクトリID」のディレクトリパスと商品名を並べて確認でき、商品名とディレクトリパスの関係が適切か適切でないか確認できます。また、「全ディレクトリID」の関連「タグID」が表示されていますが、商品に ひも付けされている「タグID」が現在、存在せず不適切であることが確認できます。

①全ディレクトリIDとディレクトリパス
②無効なタグID

楽天市場で売上を上げる一番の要素はやはり「楽天内商品検索」で検索上位表示させることであり、その一番の適い手は「商品名」と思います。

楽天市場が定める〔検索対象項目〕にキーワードがどのように配置されているか?その出現率は?など気にかけて〔検索対象項目〕を最適化している店舗さんもおられると思います。楽天内商品検索アルゴリズムが変化する中で、〔商品名〕においても、キーワードの出現位置、出現数、出現率、キーワード間の距離、商品名の文字数、特殊記号の有無など決定的な検索上位表示の加点減点ルールはつかみきれません。

〔商品名〕を最適化する上で、重要な要素があります。

・ユーザーが探し求めかつ商品を代表するキーワードを含む
・商品の規格仕様を含む(項目選択肢がない場合)
・母の日、父の日など季節の恒例イベントキーワードを適切な季節に含める

検索結果で上位表示させたい商品のキーワードを〔商品名〕のどの位置に配置させるか?答えを簡単に導くことはできません。しかし、ギフト商品であれば年末には「お歳暮」、年明けには「お年賀」、1月末にはそれらをはずし、「バレンタイン」、3月には「ホワイトデー」といった具合に季節に合わせタイムリーに〔商品名〕を最適化することが重要です。またTVなどメディアで紹介される当該商品の場合、検索が反映されるよう放送前にすばやく最適化しておく必要があります。

これら楽天内検索をねらった〔商品名〕の編集に、一括編集ソフトなどのツールを用意すること、オススメします。手頃なツールは「エクセル」です。楽天のitem.csvをエクセルで開き、「検索と置換」を使って一括置換で編集することができます。

以下は、FileMakerを利用した一括編集の例

①にキーワードを入力し② をクリック。
商品名の先頭、中部、後部の位置で簡単に一括置換編集が可能です。

楽天内検索でいい結果を出す〔商品名〕最適化の法則は簡単に見いだすことはできませんが、タイムリーに一括編集し、その結果を検証、よりよい方向に導くことができると思います。
商品を検索するユーザーの期待を裏切らないためにも、商品名の最適化はタイムリーにできる体制を整えておくべきです。

JECCICA客員講師

JECCICA特別講師 松橋 正一

EC得意分野/モールEC構築、amazon出品支援
楽天、ヤフー、amazon、自社サイトなどECサイトの運営経験を基に、数々のショップを構築サポート。大規模ECサイトの効率的な構築、データ処理システム構築を得意とする。


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