EC売上を支えるAmazon出品 Amazon価格設定を賢く利用しよう
Amazonに出品、市販の価格改定ソフトを使ってショッピングカートボックス価格よりも1円下げや数パーセント下げている競合出品者に対抗し、気が付けば価格競争の渦に巻き込まれている。ショッピングカートボックスを獲得しようとし、そんな経験をしている出品者もいると思います。
ショッピングカートボックスをどのくらい獲得できていますか?
ショッピングカートボックス獲得率は、購入者が商品詳細ページを閲覧したときに出品者の商品がショッピングカートボックスを獲得していた割合の平均値を表します。ショッピングカートボックスとは、Amazonサイトの商品詳細ページに表示されている「カートに入れる」ボタンのことで、購入者が商品を自分のショッピングカートに入れると、自分のところで購入手続きが開始されるわけです。
ショッピングカートボックス獲得率を高めるには?
ショッピングカートボックス獲得率を高めるには、競争力のある商品価格を設定する必要があります。価格だけでなく、在庫の確保、出荷日やお届け日時、カスタマーサービスなどでも非常に高い基準を満たしている必要もありますが、一番わかりやすいのは配送料、ポイントを含めた価格を引き下げることでショッピングカートボックスを獲得できる可能性が高まるということです。
Amazonカタログに掲載されている商品にひも付け出品し、集約された商品詳細ページでショッピングカートボックスの獲得を競いあう。結局、競合出品者に負けずと、睡眠時間を削り、手動で面倒な価格改定をしているのではないでしょうか?
2016年8月ごろ、Amazonセラーセントラルで「価格の自動設定」BATA版が提供されましたが、競合している出品者同士が利用したらどうなるのだろう?とわからないことが多かったので利用のオススメを躊躇していました。
Amazonで提供する「価格の自動設定」
・ショッピングカートボックス価格よりも指定金額分低い価格を維持
・ショッピングカートボックス価格と同じ
・ショッピングカートボックス価格よりも指定金額分高い価格を維持
のいずれかを設定
・指定金額またはパーセントを設定
・出品価格の下限の設定
・出品価格の上限の設定
Amazonセラーセントラル「価格の自動設定」の設定方法を説明します。
「価格」-「価格の自動設定」を開く
「価格設定ルールの新規作成」をクリック。
ルールの編集
①ショッピングカートボックス価格か最低価格か設定
②実行する価格設定操作
③指定金額または、%での金額
④商品の比較対象(ASINとコンデションが同じ全ての商品、出荷方法が同じ商品のみ)
ルールに出品情報を追加(出品価格の下限と上限)
例として
・ショッピングカートボックス価格を対象に設定
・ショッピングカートボックス価格よりも20円低い価格を維持
・出品価格の下限を3,800円と設定
・出品価格の上限を4,800円と設定
と設定すると、競合出品者が、ショッピングカートボックス価格を4,500円とした場合、4,480円となり、競合出品者が、3,800円とした場合、20円下げると下限を下回るので、上限の4,800円に戻ります。再び競合出品者が、4,600円に戻すと、4,580円となります。
当然ながら、出品価格の下限で利益が確保できているか、しっかりとコスト計算をしておかないといけません。
このAmazonセラーセントラルの「価格の自動設定」、必要に応じて利用することで、利益を確保しつつショッピングカートボックス獲得率を高めることができます。競合出品者が利用している場合もありますので、「価格の自動設定」の仕組みは理解しておく必要があります。知っておかないと損をする機能です。
JECCICA特別講師 松橋 正一
EC得意分野/モールEC構築、amazon出品支援 楽天、ヤフー、amazon、自社サイトなどECサイトの運営経験を基に、数々のショップを構築サポート。 大規模ECサイトの効率的な構築、データ処理システム構築を得意とする。