【ECコンサルタントによる「勝手にECサイト分析」】36 ジャパンEコマースコンサルタント協会 松橋正一特別講師〈畠中育雛場「卵の庄本店」〉/6次産業化の手本と言えるショップ
卵直売の激戦地、福岡・飯塚市にて、獣医師で二代目の畠中五恵子さんが経営する「畠中育雛場」という採卵農場。品種改良や育種に携わる中、「品種を良くするだけでなく、育て方を良くすることで良い鶏や卵を作ろう」と頑張っている育雛場だ。
畠中育雛場は、しっかりと健康なひなを育てるだけでなく、養鶏して卵やさらにケーキを販売するところまで自社で行っているのが特徴。飯塚市周辺でいち早く卵の直売を始めた育雛場の一つだ。
「おたくの卵は生で食べられますか?」 と20年近く前に受けた質問で、生産者と消費者の間にあるギャップを感じた。「消費者はおいしくて安全な卵をどこで手に入れられるか知りたいと思っている」と知ったと畠中さんは言っている。
そのニーズに応えたいと、98年「楽天市場」に出店した。生で食べられるおいしい卵がインターネットで販売できると立証した育雛場でもある。
インターネットサイトで、卵の安全性について情報発信をしながら卵のおいしさを伝え、お客さまに喜んでもらうために卵を使ったお菓子の製造販売の「たまごん工房」という直売店も運営している。
こうした多角化や品質管理、経営努力により、畠中育雛場は01年度の全国優良畜産経営管理技術発表会の中小家畜部門で農林水産大臣賞を受賞した。
現在、楽天、ヤフー、自社サイトでネット販売を行っている。デザインははやりで斬新なものとは言えないかもしれないが、ネット販売を始めて17年になる今も「卵の安全性や卵の正しい知識について伝えたい」という信念は変わらない。
「卵と栄養」のページをはじめ、卵の知識に関する情報ページを作り込んでおり、メールマガジンでは季節に合った卵の紹介を発信している。