ECコンサルタントによる「勝手にECサイト分析」】34 ジャパンEコマースコンサルタント協会 中谷昌弘理事〈黄瀬商事「母子手帳ケースのキューズベリー」〉/顧客が安心できる導線を構築
ウェブショップの売り上げを上げる要素の中に、アクセス数とコンバージョン率、そしてリピート率がある。
アクセス数を上げてもコンバージョン率が悪ければ、順調なウェブショップ経営とはいえない。
むしろ、アクセス数が少なくてもコンバージョン率が良ければ伸びしろは充分にあるともいえる。
そんな大切なコンバージョン率アップの要素の大半は顧客安心度といっても過言ではない。
今回の「勝手にECサイト分析」で紹介するウェブショップは、「母子手帳ケース専門店キューズベリー」。
このサイトには、顧客が訪問して安心できるコンテンツが縦横無尽に張り巡らされている。
購買を迷っている顧客に対し、ジワジワと安心感を植え付け、確実に潜在顧客を見込顧客に、さらには既存顧客をファン顧客に転換しているものだと思う。
「キューズベリーステートメント」というコンテンツには、キューズベリーブランドに対する決意と約束がBGMとともにノートをめくる体裁で展開され、ものづくりに対する姿勢を顧客に訴えている。
「キューズベリーのものづくり」というコンテンツには、キューズベリーブランドが行っているものづくりに対してのクオリティーについて、動画と写真を駆使して丁寧に説明がされている。
「改善プロジェクト」というコンテンツには、日々お客さまの声を受けて改善してきている事項をまとめている。
キューズベリーが常にお客さまの声に耳を傾け成長しているさまを見せている。
もちろん、「スタッフ紹介」のコンテンツにおいては、スタッフ全員の自己紹介で趣味・特技などを公開し、お客さまとの共感フックを形成している。
そして公開されている同社の8つのクレド(行動指針)では、「妥協のないものづくり」「1対1のコミュニケーションをたいせつに」「ものづくりを通じて社会貢献」「スタッフ1人1人がエンターテイナー」など、お客さまに最高のものづくりを提供する姿勢を示しており、誰もが感動できる内容となっている。
これだけファン化に取り組んでいるサイトなので、フェイスブックの「いいね!」は1万6000件以上という数字も納得ができる。
強力な口コミやメディアの力と、それを裏付ける信頼と実績を持っていながらそれにおごることなく、自社のブランドを知らないユーザーにもアプローチできる安心導線を構築していることは大変素晴らしいと感じる。
※記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。
JECCICA特別講師 中谷 昌弘(通称:トントン先生)
ハム・ソーセージのウェブショップ通販:北海道トンデンファームウェブショップの開設者。著書には「笑う豚の生活」がある。現在、茨城県および茨城県水戸商工会議所はじめ全国の商工会議所において地域IT戦略の講演を年間200本以上を行い抜群の講座リピート率と満足度を誇っている。全国のネットショップの個別コンサルタントとして20社を超えるサイトプロデュースに活躍中。