ECコンサルタントによる「勝手にECサイト分析」】26 ジャパンEコマースコンサルタント協会 松本順士理事〈49JAPAN「世界で一冊だけの手帳」〉/ニーズを新たに生み出す
手帳は毎日使うもの。サイト「世界で一冊だけの手帳」は、「家族だけの記念日を手帳に印刷しておきたい」「友達の誕生日を手帳にあらかじめ印刷したい」「手帳カバー、カバーのステッチの色、紙面をこだわりたい」など、手帳のオーダーメードができる。
毎年、記念日は増えていく。普通の手帳では毎年買い替えるたびに手書きで記入しなければならない。
「世界で一冊だけの手帳」は、そんなニーズに応えてくれるオーダーメードサイトとなっている。
14年のスケジュールを何で管理しているかを調査した結果(MMD研究所調べ)によると、「スマートフォンのスケジュールアプリ」(50・2%)、「紙のスケジュール帳」(30・7%)、「パソコンのカレンダー」(19・1%)という結果だった。
スケジュールをデジタル管理する人が増えているため、手帳はいらないのではと思う人も多いが、手帳の役割はスケジュール管理だけではない。
逆にデジタルで管理できないアイデアや気持ちなどを書き留めておけるアイテムとして使える。
アイデアなどは手書きの方がうまく表現できるため、私はデジタル、アナログの両方の利点をうまく使っている。
手帳をオーダーする手順は、外装カバーから選び始め、ページの仕様、付属のパーツ、見積もりと、とても分かりやすい。最後は見積もりを印刷することができる。
ネット通販の場合、オーダーとなると仕上がりに不安を感じるが、このサイトは違う。
出来上がりの仕様が分かり、オーダー価格も分かる。また、オリジナルのデザインで大口ロットでも購入できる。
売れる通販サイトとは何か?─私は、お客さまのニーズを満たし、「欲しい」というニーズを新たに生み出すことで、新しい市場を作り出せるのではないかと思う。
※記事は取材・執筆時の情報で、現在は異なる場合があります。
JECCICA理事・特別講師 松本 順士
数々のECサイトを運営し、レディースアパレルブランド「GRL」を立ち上げ、4年で年商30億に成長させた実績をもつ。ECコンサルティング業務にて多くのクライアントを成功に導いている。