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Eコマース関連法令の概要

JECCICA代表理事・講師 川連 一豊

kawazure

 

企業や個人が新規オープン、運営するにあたり、申請や注意しなければいけないEコマース関連の法律について開設いたします。

Eコマースは初期費用が実店舗に比べて安くスタートできるという点で、大きなメリットがあります。

しかしながら、Eコマースに関連する法律は非常に多く、多岐にわたっています。

リーンスタートアップ(小さく始めて大きくしていく)で始めるケースや、法務担当を置かずに始める企業、法律を知らないまたは、法律やガイドラインを確認せず、不明瞭なまま始める企業もあります。

 

 

 

事業を行う上で、法律を守ることがお客様を守ることになりますので、Eコマース事業を行う場合には、必ずチェックして始めていただき、法律やガイドラインが変わった場合には追従して行っていくことが大切です。

Eコマース関連の法律は、Eコマースの成長や発展に伴って、実際の取引、技術の動向、国際的なルールメイクの状況に応じて改正されていきます。

最新の情報を手に入れるようにしておきましょう。

 

 

経済産業省が平成26年8月に電子商取引及び情報財取引等に関する準則を発表しています。

この準則で出てくる法律は

  • 景品表示法(不当景品類及び不当表示防止法)
  • 個人情報保護法(個人情報の保護に関する法律)
  • 資金決済法(資金決済に関する法律)
  • 通則法(法の適用に関する通則法)
  • 電子契約法(電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律)
  • 特定商取引法(特定商取引に関する法律)
  • 特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)
  • 独占禁止法(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)
  • 不正アクセス禁止法(不正アクセス行為の禁止等に関する法律)
  • プロバイダ責任制限法(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律)
  • 預金者保護法(偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護に関する法律)

となっています。

 

Eコマースを行う場合には、上記の法律以外にも商材によって適応する法律があります。

例えば、サプリや健康・美容商材でしたら、薬事法に対応する必要がありますし、中古品をネットで販売するのであれば、古物営業法の対応が必要です。

商材によって適応する法律が変わりますので、必ず確認をして販売してください。

 

 

今回は、まず特定商取引法についてです。

特定商取引法

特定商取引法とは、正式には、「特定商取引に関する法律」と言い、企業や個人がEコマースを行う上で、お客様との取引関係を公正なものとし、購入するお客様が不当な損害を受けることのないよう必要な措置を行うことが趣旨となっています。

平成13年9月より特定商取引法の遵守状況を経済産業省の電子商取引係担当し、点検(モニタリング)しています。

特定商取引法一つのページにまとめても良いですし、複数のページにまたがっても大丈夫ですので、サイト内でしっかりとわかる位置に掲載する必要があります。

企業だけでなく、個人で行っていても同様です。

 

特定商取引法の表示がなければ、決済に必要なクレジットカード会社の審査にも通りません。

 

 

特定商取引法の表示項目としては

  1. 事業者の名称・住所・電話番号(法人の場合は代表者名称も)
  2. 販売価格
  3. 商品代金以外の必要料金
  4. 支払方法
  5. 支払時期・支払期限
  6. 商品の引き渡し時期
  7. 保証について
  8. 返品について

 

上記以外にも、商材によって表示しなければならない項目があります。

詳しくは、専門家または下記の経済産業省のお問い合わせ先に確認をしてください。

特定商取引法に関するお問い合わせ先 経済産業省のホームページ

 

また、インターネット取引等の規制強化があり、返品の可否・条件を広告に表示していない場合は8日間、送料消費者負担で返品(解約)が可能に(改正特商法第15条の2)なりました。

不明確な返品規定については無効となっていて、通常通り特定商取引法で定められた返品を認める義務をEコマース運営者に課しています。

 

 

 

特定商取引法で定められている返品に応じる義務とは以下のようなものです。(特定商取引法第15条の2等)

  • お客様が商品の引き渡しを受けた日から8日間は契約の解除(返品・返金)に応じる。
  • 返品にかかる送料についてはお客様負担となる。
  • この場合、返品に関して条件を不当な条件を 付加してはならない。(付加して手数料等を請求できません。)

 

 

また、不明確な返品規定を定めていた場合、返品規定を定めていても、注意喚起がサイト上で表示が不十分、気が付かないような記載では認められません。

商品によって、例外もありますから、その場合には商品ごとに返品規定を定める必要があります。

 

 

返品特約については、特定商取引に関する法律施行規則第9条及び第16条の2において、

顧客にとつて見やすい箇所において明瞭に判読できるように表示する方法その他顧客にとつて容易に認識することができるよう表示すること

と定めています。

返品特約ガイドラインに詳しく書かれていますので、こちらをご参照ください。

 

 

一つだけご紹介しますと、

お客様にとって容易に認識することができるよう表示していると考えられる返品特約の表示方法として、返品特約全てについて、広告及び最終申込み画面中の各商品の説明箇所において、明瞭な方法で、かつ、他の事項に隠れて埋没してしまうようなことがないように表示(例:商品の価格や電話番号等)消費者が必ず確認すると考えられる事項の近い場所に、商品の価格等と同じサイズで表示する、パーソナルコンピュータの場合において標準設定で12ポイント以上の文字で表示する、色文字・太文字を用いる等して表示するなど)する方法。

と、書かれています。

 

 

広告というのは、商品ページだけではなく、カテゴリページやトップページ、情報ページなどの内容や各ページのバナーも当てはまります。

商品ページのかご周りやフッターにもわかりやすく掲載し、商品の価格と同じサイズもしくは12ポイント以上、色文字・太文字などを使用してお客様がわかるように設置する必要があります。

 

デザイン重視のEコマース事業者にしてみると、文字のサイズや色についてこだわっていることも多いため、混乱せずに対応したいところです。

ガイドラインを見ると細かく書かれているため、まずは確認してみてください。

 

 

わかりにくい点や不明な点は、専門家や経済産業省に問い合わせをしてみてください。 その他、Eコマースに関連する法律をアップいたしました。

自社の商材や販売方法によって違いますので、法律やガイドラインに照らし合わせて確認をお願いします。

景品表示法(懸賞・景品等のルール) 景品表示法(不当表示) 金券類に関するルール 古物営業法 家電リサイクル法 特定商取引に関する法律 特定商取引法(返品特約について) 未成年者飲酒禁止法 etc… Eコマース、いわゆる電子商取引に関する法律は、今後も柔軟に対応することになります。

常に最新の情報を取れる体制にしておいてください。

 

 

JECCICA代表理事・講師 川連 一豊

kawazure

フォースター株式会社代表取締役。年間システム流通額1700億円を超えるシステム開発やセキュリティ専門オムニチャネルのおもてなし戦略、米国やEU、アジアなどのクロスボーダーEコマースを進める。

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