OpenAI DevDay 2025 オープニング基調講演から考える
OpenAI DevDay 2025(10月7日)基調講演を、EC・マーケティングの文脈でまとめてみました。6つ有りました。EC業界も大逆転する可能性がありますね。すでに若い方(女性もふくめて)Sora2は大騒ぎです。
ポイント6つについて
1.Apps SDK登場=チャットが「新しいアプリストア」
2.Agentic Commerce Protocol:チャット内チェックアウト
3.Agent Kit:EC運営の自動化エージェント
4.GPT-5 Codex:マーケターの手を置き換えるツールへ
5.Sora 2 × GPT-5 Pro:リッチメディアと高精度AIが融合
6.GPT-5 Pro(高精度推論)
今回の基調講演を聞いて、中立的立場でのリスクや注意点について
1.プラットフォーム依存リスク
チャット内でアプリ提供できる代わりに、開発者は OpenAI のルール、収益分配、データアクセス設計に依存する。「プラットフォーム税」が発生する可能性。
2.差別化の難しさ
もし多くのサービスがチャット内で “似た UI/UX 体験” を提供するようになると、差別化要因が UI ではなく “バックエンドロジック/データ/変数制御/産業特化性” が強みになる。
3.信頼性・精度の限界
特に GPT-5 Pro のような “高精度ドメイン” モデルは、誤回答や曖昧な回答がコスト・信用に直結。現場検証が不可欠。
4.コスト・インフラ維持
大規模リアルタイム処理、動画生成、音声処理などをスケールさせるには膨大なインフラが必要。マージンや採算性を維持できるかが鍵。また、電力や銅、水資源などにも大きなインパクトが有る。
5.規制・プライバシー・安全性
チャット内でアプリを扱うと、データ共有やアクセス権の設計、GDPR/個人情報保護法との整合性設計、安全ガードレール(出力管理、誤用制限など)が重くなる。
では、Eコマースとマーケティング施策から見たサマリーです。
1.Apps SDK登場=チャットが「新しいアプリストア」
開発者はChatGPT内で、まるで「LINE公式アカウント+アプリ」のような体験を構築可能に。
例:ZillowやCanva、Courseraのように、ユーザーはチャット中に直接アプリを呼び出して操作。つまり、検索もLPも飛ばして、チャットの中で意思決定〜購入までが完結する。
マーケ的インパクト
従来の「検索流入 → LP閲覧 → カート → 決済」フローが崩壊。
今後は「会話 → 体験 → 決済」に。
SEOよりも「どのアプリがChatGPT内で推薦されるか(=アプリ内SEO/AppGPT最適化)」が重要テーマになる。
予測ワード:「AEO(App Experience Optimization)」や「ChatGPT Commerce Optimization」が登場する可能性。
2.Agentic Commerce Protocol:チャット内チェックアウト
チャットで“即購入”の未来
OpenAIが発表した「Agentic Commerce Protocol」により、ChatGPT内での即時チェックアウトが実現予定。
「Spotifyでプレイリスト作って」「Figmaでデザインして」→「Canvaで発注」「Amazonで購入」まで自然に連携。
EC実務へのインパクト
カゴ落ちが消える。 チャットで意思決定した瞬間に購入が完了。
顧客体験は「サイト滞在」ではなく「対話体験」に移行。
CRMやリターゲティング広告より、“AIとの継続的な会話”が顧客関係を育てる時代へ。
つまり:
「CVRを上げるUI改善」よりも、「顧客との会話文脈をどう設計するか」がKPIになる
3.Agent Kit:EC運営の自動化エージェント革命
ノーコードで社内AIエージェントを構築可能
商品在庫・キャンペーン・FAQ対応・顧客クレーム処理まで、Agent Builderで設計。
「ECの裏側を回すAIチーム」が社内でノーコード構築できる時代。
導入可能な具体例
・在庫調整エージェント(プロモーション施策と在庫連動)
・クーポン発行AI(ROAS連動で自動停止・延長)
・顧客応対AI(LTVごとの対応分岐)
ポイント
Shopify Flow や Zapier のようなワークフローを超えて、自然言語で業務を設計。
「ChatGPT for Business」に社内Botを配置するだけで、CRM~販促が自動化される。
EC事業者が備えるべき対応
「AI業務設計者(AI Operator / Prompt Engineer for Commerce)」の社内育成。
既存のCRM/MA/在庫連携APIとの統合設計を先行構築すること。
4.GPT-5 Codex:マーケターの“手”を置き換えるツールへ
コード生成+業務統合+運用最適化
GPT-5 Codexが本格提供開始。Slack連携・SDK・自動コードレビュー対応。
実質的に「マーケティングオートメーション+開発」をAIが一体化して行う。
活用シナリオ
・ECサイト更新を自動生成
(「新色ページを作成して」「在庫に合わせてLP更新して」)
・データ分析や広告ABテストの自動レポート生成
Shopify/EC-CUBEなどのコード修正を自然言語で指示
結果:
マーケターが「ノーコード開発者」として、サイト・広告・分析をAIと共同運用する体制に。
5.Sora 2 × GPT-5 Pro:リッチメディアと高精度AIが融合
Sora 2(映像生成API)
「チャット→動画生成→投稿」までの一気通貫体験。
ブランドのビジュアル制作が、数分単位に短縮。
音声・効果音・背景音も自動生成可能。
6.GPT-5 Pro(高精度推論)
医療・法律・金融向けだが、マーケティング領域では**「購買意思推定AI」や「カスタマージャーニー設計AI」**に転用可能。
特にD2Cでは顧客ペルソナ生成・LTVシミュレーションの自動化に発展しそう。
EC的応用
商品説明文の自動生成にとどまらず、「動画×説明×対話の一体化LP」が主流化。
ShopifyやAmazonページが、静的から“動的AI接客ページ”に進化。
私、川連一豊が見る“次の波”とは・・・
1.「AIコンシェルジュEC」が標準化
チャット起点で顧客が商品を探す。
ECサイトは“AIの裏側”に隠れる存在になる。
「ブランド専用エージェント」を持つことが差別化の鍵。
2.AI経由の購買が“新SEO”になる
ChatGPTが検索の代替になるため、「会話内で指名されるEC」が勝つ。
今後のキーワード戦略は「質問文」ベースに転換。
3.UGCからAIC(AI Generated Commerce)へ
Sora 2で生成された“架空のレビュー映像”や“バーチャル試着体験”が主流に。
ブランドは「どんなAI体験を提供するか」で語られる。
DevDay 2025 は“AIコマース元年”と言っています。
OpenAIは「AI × アプリ × コマース × 開発」を統合し、“チャット中心の購買・制作・運用プラットフォーム” へ移行していく。
EC事業者にとっては、
AIを使う立場から、AIを設計し顧客体験を再構築する立場へ。
ChatGPT内で売るという概念が現実になってしまうということです。

代表理事 川連一豊
そろばん2級 書道6段 ヤマハデジタルプロコース卒業
浜松南高校普通課卒業 愛知大学法律経済学部卒業
学生時代より音楽活動を行う。1988年ヤマハ世界大会出場
ベストキーボードプレイヤー賞2年連続受賞などTVCM、TV番組、CGの制作に関わる。
インターネットでは楽天市場 2003年ジャンル賞受賞
楽天にて、モバイル講師 HTMLメルマガ講師
他ネットショップに関わる講師多数
2004年6月30日までソフトプレン株式会社営業課長
ネット店舗の店長兼任
2004年7月1日 独立
2004年8月11日 有限会社SAVAWAY設立
2009年9月ネットショップのおもてなしを出版
2012年システム流通総額1500億円を突破
取引数3500社以上のネットショップ、ネット通販企業
50名以上のECコンサルタントを輩出