2021年 年頭所感 石郷学
新年あけましておめでとうございます。
旧年中は大変お世話になり、誠にありがとうございました。
僕はメディアを運営していながら「知識」とは何だろう。そう思う機会がありました。
今から10年ほど前、メンズアクセサリーでネット通販を始めた僕の友人と久しぶりに話をした時のことでした。彼は謙虚な姿勢で言葉少なに、今もその事業をしっかり成長させていることを話していましたが、Shopifyのことを知りませんでした。
知らなかったからどうということではありません。僕も含めてですがメディアはShopifyをAmazonキラーなどと言ってあれだけ騒いでいても、10年ネット通販をやり続けている彼にとっては現時点ではそれほど大きな関心事ではなかったということなのです。
でもだからといって業績が危ないか。寧ろその逆で好調なのです。ただ、彼の話は至ってシンプルでした。目標設定が「明確」で、そこには必ず「数字」を入っていて、それを「早く」達成させようとしていたのです。これを読んだ方は、なぁんだそんなことか、と思われたでしょうね。
でも、これこそが本質だなと思ったのです。彼が口にするような「数字」という結果は常に「可視化」できます。可視化できるものであれば、結果は明確で、その結果を急げば、その先も見えてくるということなんですよね。
僕はメディアである以上、いろんな情報に触れますから、それを無理に全部押し付けちゃおうとする部分がなくはありません。でも、大事なのはその溢れた情報の中で、自分にふさわしいものを取捨選択することの方にあって、それは目標なしにはありえないわけです。
彼との会話はそれに気づかせてくれた気がします。知っているだけでは意味がないんです。
今の時代、リアル店舗が窮地に追い込まれ、デジタルトランスフォーメーション(DX)などという言葉が各地で踊って、無条件にそれに飛びつきたくなります。それを無闇に語りたくもなります。ですが、それもまた手段でしかないことも押さえた上で語りあわなければなりません。
Shopifyを使ったからと言って魔法の杖ではないので、別に業績が変わるわけでもありません。大なり小なり戦略を描くことの大事さなのだと思います。
自らの立ち位置を理解し、必要な手段とそこに基づく目標設定、そしてそれをいかに早く実践して結果を出すか、そこで初めて、必要なノウハウは何なのかに至ります。僕らがいつも触れる情報は実は、自分達にとって最後に必要となることをよく押さえておかなければならないのだと思います。自戒の念を込めて、年の初めにこれを書きました。
皆さんにとってどうか素敵な年でありますように。
JECCICA客員講師 石郷 学
(株)team145 代表取締役