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ネットショップの教科書89 CMSの代表選手、「進化するMovable Typeの今」

社ドメインで自社サイトを開き、モールに加わることなくECサイトを運営されている方は比較的早い時期より、また、楽天市場などモールに出店しEC運営を始めた方は、楽天市場やYahoo!ショッピングに加え、2001年ごろから自社サイト運営に乗り出してきました。

自社サイト構築の場合、HTML、CSS、JavaScript、PHPなどのプログラム言語で記述したページをインターネット上のサーバーにアップロードし公開するわけですが、ECショップというたくさんの商品ページで構成するため、その構築作業の効率化を図る、ページレイアウトの統一性を図る必要があります。

エクセル、ワードや、メモ帳などテキストエデッタを利用し、自社でテンプレートを作成し、その枠にはめ込む形で、同じようなデザインレイアウトが完成することができます。これらで対応できるのは、ある程度商品数の限られた小規模ECサイトであり、数百、数千の商品数規模となると、サーバーのデータを一括で編集更新には不便です。

そこで多くのECサイト運営者が採用するのが、Webサイトのデジタルデータ情報を一元的に管理する仕組みがCMSです。

CMSとは、「Contents Management System:コンテンツ マネジメント システム」の略で、Webサイトのページを構成するテキスト、画像、レイアウト情報などをテンプレートとして一元的に保存管理するシステムです。日本では1998年ごろより多く導入されるようになったと思います。CMSを導入しているWebサイトでは、サーバーのデータベース上に保存されているデジタルデータ(画像やテキスト、テンプレートなど)を、随時取り出して、Webサイトを自動的に生成しています。

CMSを導入すると、

・HTML、CSSなどのプログラム言語の知識がなくてもサイトの更新や追加ができる。
・複数のデバイス用のテンプレートでWebページを表示することができる。
・サイトデザイン、テンプレート、商品ページなど担当わけした作業分担ができる。

様々なメリットがありますが、CMSと言ってもいろいろあります。

ライセンス費用不要の非商用向けCMS
WordPress、Joomla、Drupal、Concrete5 など

商用向けパッケージCMS(中~大規模サイト)
Movable Type、HeartCore、NOREN、Sitecoreなど

2002年ごろ、Movable Typeの導入を試みて検討してみました。当時の最新バージョンMT3.1です。

HTMLの動的出力を行う動的CMSですと、アクセスしたタイミングによりデータベースからデータを取得してページを表示するので、何かしらの対処をしておかないとサイトが重くてエラー表示になることが多くあります。動的CMSでサーバーに高負荷がかかった場合、下記のような対策が挙げられます。

・静的キャッシュ化プラグインの導入
・CDNの導入
・プラグインの見直し
・インフラの見直し
・RSSリーダーの削除

しかし、これら対策には専門知識が必要で容易ではありません。Movable Typeの最大のメリットとしてHTMLの静的出力ができるということでした。HTMLの静的出力ができるということは、出力した静的ファイルにアクセスしますので、仮にアクセスが集中したとしても耐えられるという利点があります。

Movable Typeの既存Webサイトにも導入可能なことも利点です。テンプレートの出力先URLを既存ページのURLに設定すればそのまま上書き可能で、既存のURLを適用することができます。Webサイトの再編成、再構築などでディレクトリ階層の変更、URLの変更にも対応できます。

だいぶ前のバージョンより、そのセットアップは簡単になっています。サーバーをFTPでcgiファイルが動く環境にしてブラウザで設置したURLにアクセスすればOKです。

Movable Typeの初期バージョンのころは所定のディレクトリ階層に(cgi-binディレクトリに)、フォルダ「mt-static」をドキュメントルートに設置して、フォルダ「static」のディレクトリ階層を設定するなどの作業が必要でした。データベースを作っておきconfigファイルに書いて設置するという作業が必要でした。バージョンアップとともに、使い勝手も徐々によくなりました。

多くのECサイト運営者が自社サイトの構築で、「WordPressがいいのか?Movable Typeがいいのか?」選択を迷っておりました。最近では、SNSなどで簡単にコミュニティを作ることができることから、WordPressがいいのか?Movable Typeがいいのか?という問いかけは少なくなったような気がします。

WordPressとMovable Typeの比較、Movable Typeの進化についてまとめてみました。

WordPressとMovable Typeの比較

  WordPress Movable Type
ライセンス 無償 有償
サポート なし 有り
セキュリティ
デザインテーマの数
公開プラグイン 約6,000 約100
最適Webサイト 小規模から中規模 中規模から大規模
カスタマイズ情報

WordPressは、様々なレンタルサーバーで「簡単インストール」が用意されています。管理画面の使いやすさ、記事やページを作成する際の操作性が簡単で、初めてCMSを触る人にとっても扱いやすいと思います。

また、Movable Typeは一部の利用方法を除き有料で、WordPressは無料で利用できる点はメリットですが、メーカーサポートを受けられるという点やセキュリティの面で、Movable Typeのメリットが見逃せません。

Movable Typeの進化

Movable Typeは、20年近くの歳月をかけてバージョンを「3.1」のソフトウエア版から、最新の「7.0」、クラウド版、AWS版、APSサービス版と進化しており、豊富なラインナップのライセンス費用はそれぞれ異なります。

先にご紹介しましたようにMovable Typeは、Webサイト構築時にHTMLを自動生成する「静的出力」です。Webページにアクセスがあった場合、あらかじめ出力されたHTMLを表示するため、アクセス時のサーバー負荷は低く、表示速度が高速です。

ECサイトでの運用を考えると、以上の点やサポートやセキュリティの面で、Movable Typeの導入をおすすめします。

Movable Typeは今、

Movable Type は、安全で効率的なWebサイト運用を可能にするCMSプラットフォームとして、充実の機能と豊富なソリューションと進化し、ECサイトの他、大規模な企業サイト、メディアサイトの構築が低コストで可能です。


Movable Type.net は、サインアップするだけで簡単に始められる Webサービス型高機能CMSです。スマートフォンにも対応したWebサイトを簡単に制作可能で、Webサービスなのでサーバー管理も不要です。スマートフォンに対応した低コストのCMSとして一押しです。

最近、CMSやWordPress そしてMovable Type の話題を耳にすることが少なくなりましたが、そのスタイルや機能、どんどん進化しています。再び見つめ直してみるのもいいかもしれません。

JECCICA客員講師

JECCICA特別講師 松橋 正一

EC得意分野/モールEC構築、amazon出品支援
楽天、ヤフー、amazon、自社サイトなどECサイトの運営経験を基に、数々のショップを構築サポート。大規模ECサイトの効率的な構築、データ処理システム構築を得意とする。


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