第2四半期のEコマース売上高
2024年第2四半期のアメリカにおける小売Eコマース売上高の推定値が、アメリカ商務省国勢調査局から8月19日に発表されました。商務省のデータでは、季節変動に対して調整した推定値および調整していない推定値の2種類を発表しておりますが、ここでは調整していない数字を見ていきたいと思います。
第2四半期の売上高は2,822.89億ドルで、第1四半期から5.3パーセントの増加、前年同期比で6.6パーセントの増加となります。これは、2023年第4四半期の3,228.6億ドル、2022年第4四半期の2,939.9億ドルに次いで、Eコマース売上高の四半期ベースで3番目に高い数字となります。歴史的に、ホリデーショッピングシーズンの影響から、第4四半期は年間を通じて他の3四半期よりもEコマース売上高が常に高くなることを考慮しますと、今四半期はかなりの売上高と言えましょう。
アメリカのEコマース売上高が四半期ベースで初めて1,000億ドルを超えたのが2015年第4四半期、初めて2,000億ドルを超えたのが2020年第2四半期でしたが、それから4年で3,000億ドルを超えました。これには、新型コロナウィルスのパンデミックによるEコマースへの急激なシフトおよび継続的なインフレーションが影響していると言えますが、Eコマースは引き続き順調に成長している証でもあると思います。
さて、話は今年の四半期の売上高に戻りますが、伸長に大きく貢献しているのはやはりアマゾンとウォルマートです。アメリカでのアマゾンの売上高は、6月30日に終了した会計年度第2四半期は前年同期比9パーセント増の約900億ドルになりました。またウォルマートの会計年度は少々ずれますが、7月31日に終了した会計年度第2四半期のEコマース売上高は前年同期比22パーセントの増加ということです。Eコマースの売上高前年同期比は6.6パーセントでしたので、アマゾンとウォルマートともにこれを上回っています。
ところで2024年第2四半期の小売全体の売上高合計は1兆8,540億ドルと推定されています。これは第1四半期から8.0パーセントの増加、前年同期比では1.9パーセントの増加となります。よって、Eコマースの小売全体に占める割合は15.2パーセントとなります。通常はオンラインで販売しないセグメントを除くと、小売の総売上額は1兆3,000億ドルほどとなり、これに対するEコマースの比率は21.7パーセントとなります。
アメリカ商務省では、Eコマース販売の定義として、インターネット、モバイルデバイス (Mコマース)、エクストラネット、電子データ交換ネットワーク、Eメール、またはその他の同等のオンラインシステムを介して、購入者が注文するか、販売価格と条件が交渉される商品やサービスの販売としております。支払いに関しては、オンラインで行われる場合とそうでない場合があります。
JECCICA客員講師 渡辺泰宏
カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。