SNSのアクティブユーザー数が減少?
政府統計による2024年12月時点でのSNS別の利用率は、LINE:91.1%、YouTube:80.8%、Instagram:52.6%、X:43.3%、TikTok:33.2%、Facebook:26.8%となっています。経年推移を見てみると、グラフの通りTikTokを除いて前年割れしていることがわかります。つまりTikTokを除いて利用率が下がっている、言い換えればアクティブユーザー数が減っているということです。アカウント数を単に追いかけているだけではからないことですが、(繰り返しになりますが)利用率の推移をみると2024年は昨対比でマイナスという結果です。

サイバーエージェントの調査でも同様の結果に
この政府統計はあくまでも2024年12月時点のものです。では2025年はどうであったかが知りたいところですが、政府統計はまだ発表されていません。一方サイバーエージェント次世代生活研究所が2025年10月に実施した「Z世代のSNS利用率に関する調査」では、InstagramとXの利用率が2024年よりも下がっている結果になっています。LINEやYouTubeは国民的ツールになっているため、いったんそれらを除外して考えてみると、どうやらSNSの利用は頭打ちになっており、むしろ利用率が少しばかり低下していることは確かではないかと思われます。
SNSの時間がAI検索によって奪われている
ではその原因は何かですが、TikTokに移行していることで起こっている現象ではないことは明らかでしょう。最近はBeReal.が若者層に人気があるようですが、ましてやそのような新興SNSツールの存在が影響しているわけではありません。唯一考えられるのはAIの影響でしょうか。AIが消費者のあらゆる問いかけに対し適切に回答してくれますので、消費者にとってAIは心地よい会話の相手となっていることでしょう。つまり、AI検索にSNSは消費者の時間を奪われているかもしれません。
事業者にとって新たな負担増に
AI検索にSNSは消費者の時間を奪われているということが事実だとしたら、これは大変な事態になってきたなと、多くの方は思うのではないでしょうか。ECとSNSの親和性の高さは言うまでもありません。これまで多くの事業者の方々は顧客エンゲージメントの醸成に向けて、積極的にSNSを活用してきたと思います。しかしその前提が一部崩れることになり、AIを絡めたカスタマーエクスペリエンスを新たに想定しなければならない事態になったということでしょう。とはいえSNSが無くなるわけではありませんので、事業者にとって負担が増すことになります。
自社発信情報をあらためて見直す
ところでChatGPT等生成AIは、一次情報としてSNSの信頼性評価はあまり高くないようです(※間違っていたらご指摘ください)。したがって、生成AIはSNSからはそれほど多くの情報を拾っていないように思われます。となれば、生成AIからきちんと自社や自社ブランド、商品を認識してもらえるように、自社発信のコンテンツをあらためて見直す必要があるのではないかと私は考えます。いわゆるAI最適化としてAIOやLLMOという表現で語られることがある対策を講じる必要性があるということです。
さらにその先にあるエージェントコマース
AI最適化については重要な施策と考えますが、現在様々な議論がネット上にあふれており、専門家による見解も出回っていますので、あえてその詳細を本コラムに掲載することは差し控えておきます。さらに言えば、その先にはAIエージェントが控えています。2026年はAIエージェント元年として、大きな変革が生じる年でしょう、既に米国ではエージェントコマースに関する動きが活発化し始めています。日本でもエージェントコマースは不可避でしょうから、目が離せないテーマです。ともあれ、今年のEC業界はAIによって良くも悪くも揺れ動く年であることには間違いなさそうです。