2019年 年頭所感 小野雅之
明けましておめでとうございます。
すでに「平成最後の・・・」というフレーズを頻繁に目にするようになっていますが、新元号が発表される予定の2019年4月1日以降、日本全体で「新元号フィーバー」が沸き起こることでしょう。この大きな機会に乗じて自社のビジネスにプラスの影響を作る施策ができれば、と考えております。
さて、今年もeコマース市場規模は成長が見込まれておりますが、売れる店舗・商品の明暗がよりはっきりとし、これまでの人気店舗であっても簡単には売上を伸ばせなくなってきています。そのため、自店舗の商品・サービスのコアをより尖らせていくことはもちろんのこと、勢いのある世の中の流れ(あえてトレンドとは言わず)をうまく活用していくことも必要になってきます。
そこで、2019年に話題になりそうなキーワードの中から、私が特に注目しているものを3つご紹介いたします。
▼PayPayに代表されるスマホ決済プレーヤー戦国時代
スマホ決済プレーヤー乱立の中、昨年末の100億円還元キャンペーンで一気に名乗りをあげた「PayPay」。ソフトバンクグループの豊富な資金力をバックに、今年も大きなユーザー獲得施策を打ちシェアを取りに来ることは間違いありません。また、Yahoo!ショッピング、ヤフオク!、LOHACOといったYahoo!グループオンラインサービスへの導入(※対応予定時期2019年2月頃と発表)で、eコマース決済市場においても一気にシェアを伸ばしてくると考えています。もちろん、PayPayの競合プレーヤーも黙っているはずがありません。必ず対抗策を打ち出して来るでしょう。
昨年のPayPay100億円還元キャンペーンは、大勢の人々を動かし新たな消費を生み出しました。今年はもっと大きな消費がこの争いをきっかけに起きるのではないでしょうか?ということは、eコマース事業者としては「乗るしかない、このビッグウェーブに」です!
▼「購入する」ではなく「利用する」という消費感覚の促進
メルカリの普及による「売ることを前提に購入する」という消費感覚の登場以降、サブスク、シェアリング系サービスの普及はますます加速していくと考えています。その一方で、それらのキーワードを標榜して立ち上がったサービスが、いくつかひっそりとクローズしていたりもしますが、それは単にトレンドワードをビジネスに盛り込んだだけで、肝心のサービス・商品のコアが他と比較して優れたものになっていないからと考えています。「サブスクだから」「所有したくないから」というようなことを意識させず、単純に「それいいね!」とユーザーに思ってもらえるものだけが最後に残っていくのでしょう。
▼eコマースプラットフォームに黒船襲来!「Shopify」
本当にセンスがいい豊富なデザインテンプレート、使いたい機能のアプリによる拡張、国外向けに通販する際に面倒な各国・各エリアの住所、税金のネイティブ対応、シンプルで使いやすい管理画面、と私個人的に大注目の世界シェアNo1. ECプラットフォーム「Shopify」が昨年から日本で本格的に活動を開始しました。コストパフォーマンスも良く、これから越境ECをしようとするなら一押しなのでありますが、実際には、越境EC事業を行うプレーヤーがまだそれほどいないのと、新しい海外系プラットフォームを積極的に取り入れられる日本企業が少なそうなので、2019年時点での劇的な利用者数の増加はないかもしれません。しかし、Shopifyは日本市場向けの対応をさらに進めていくようですので、既存の日本ECプラットフォーマーにとっては大きな驚異になることは間違いないと思います。
以上、2019年に私が注目するキーワードでした。みなさまの戦略考案のヒントになれば幸いです。
末筆となりますが、皆々様の本年のご多幸を心よりお祈り申し上げます。
本年もよろしくお願い致します。