今日も元気に業界用語使ってますか?チャーンレートに号口?
みなさん、今日も元気に業界用語使ってますか?
“今日俺、テッペンからギロッポンでシースーだから、ケツカッチンでメンゴ! ”
などというギョーカイ用語は本当にどこまで使われていたのかわかりませんが、お台場あたりではいまも地縛霊のように残ってそう・・・と最近のニュースを見て思っている今日この頃です。
さて、自分たちのような一般的サラリーマンは、そういう業界用語とは無関係!とおもっていても、知らない間に自分の話している単語が業界だけで通じる用語であったという経験はおありではないでしょうか。例えば、EC関連の仕事をしていれば「カートシステム」「かご落ち」「ささげ」「3Dセキュア2.0」(全然脈絡のない例ですが)などの用語は、みんな知っていて当然だと思って普通に会話で利用してしまうのですが、これが少しでも異なる業界だと、驚くくらい通じなかったりしますよね。
WEBマーケティングで利用されている用語「コンバージョン」「LTV」「チャーンレート」「インサイト」などは最近の若い世代には広く使われているようですが、逆に50代以上の世代には通じにくかったりするので、幅広い世代が参加するような会議では、念のため、別の言い方に置き換えてお伝えするようにしています。
確かに「チャーンレート」なんて普通に「解約率」と言い換えることができる用語ですので、諸先輩方に「カッコつけている」と苦笑されるのも致し方ないのですが、なぜかいつの間にか「定期販売」は「サブスク」に、「解約」は「チャーン」になっていた・・・というようなことはありませんか?
ここでEC関連の業界用語をならべるのは釈迦に説法だと思いますので、逆に自分が仕事を通してやり取りした別業界の方の業界用語で、しかもその業界の方には当たり前すぎて言い換えもしてもらえない用語をご紹介したいと思います。
まずトヨタ系の会社のかたと仕事をすると出てくるものとしては「号口」「カンバン」などがあげられます。
「カンバン」については「カンバン方式」というくらいなので、なんとなく想像がついたのですが、「号口」については何のことなのか最初さっぱりわかりませんでした。
<「号口」の利用例>
例1:「契約については号口のサインが確認出来たら、書面をお送りします」
例2:「スケジュール案
●2月1日から2月末までPoC開始
●号口利用開始:4月1日~ 」
当初、例1の文章を口頭で言われたときは「ゴウグチさん」という上司か責任者が存在し、その方が最終判断をするということなのかと思いましたが、その後、何回も「ゴウグチ」というワードが出たあと、例2のようなスケジュール案も提示されたとき、ああこれはさすがに人の名前ではなさそうだな・・・と分かりました。あらためて「号口」をWEBで調べると「量産体制を始めること」という記載があり、多分そこから派生して「商用利用する」という意味で使われているものと思われます。
次に、JR(鉄道会社)系の会社のかたと仕事をすると出てくる用語として「マルヨ」「ウヤ」などがあります。
<「マルヨ」「ウヤ」の利用例>
例1:「本番リリース日はマルヨ体制でお願いします」
例2:「あ~、Aさんマルヨからのウヤだった。会議リスケしてくれる?」
語感からある程度予想はつくかと思いますが、「マルヨ」はもともと列車の運行表で“日を跨いで運行する”を表すもので、そこから転じて例1のように「夜間も対応できる体制にしておいてね」という依頼の意図がじっくり染み出しています。そして「ウヤ」は運行休みを意味し、転じて例2では「Aさんが夜勤明けの休みであることを失念していた。会議を再調整してくれ」ということをサラッと表現されています。
最後に、NTT系の会社のかたと契約を締結するときに出てきて面食らう用語「銀行VAN払い」をご紹介します。
弊社と契約を結ぶ際、決済方法として「銀行振込」「口座振替」のどちらかの選択肢を選んでいただくのですが、NTT系の方はどちらにも丸を付けず、備考欄に「銀行VAN払い希望」という記載をされることがあります。最初この記載に当たった時、「銀行振込」でも「口座振替」でもない入金方法があるのかと焦りましたが、ネットワーク用語集などを調べてみたところ、「口座振替」に該当することが分かり、それ以降この回答を見たらニヤリとしつつ口座振替の専用用紙を送付するようにしています。
ほかにも各業界で使われている用語は沢山あると思いますが、業界用語はもともと、身内とヨソモノを見分けるための暗号・符号の役割もあると思います。
初めて話す相手が自分と同じ単語を使って話すことがわかれば、「わかってる人だ」と親密感が一気に深まりますし、用語が通じない場合は疎外感すら感じることもあります。
例えばもし皆さんが鉄道関連の方と仕事されるときには、アイスブレイクとして「年のせいか、最近めっきりマルヨがきつくて」などと話すと、一気に距離感が縮まるかもしれません。よければお試しください。
しかしそういった意図がないのにうっかり業界用語を使ってしまい、逆に相手との間に壁を作ってしまったり、「カッコつけた奴」と失笑されてしまったり、良くない効果を生むこともあるので、業界用語は劇薬だなーと思わずにはいられません。
皆さんがいままでお仕事された中で、なにかしら面白い業界の業界用語があれば、是非教えてください。
