2016年 年頭所感《JECCICA理事 松本 順士》
JECCICA理事・特別講師 松本 順士
あけましておめでとうございます。今年もよろしく願い申し上げます。
昨年はEC業界において、変動の年で、私自身35年の人生で1番悩み苦労をし成長できた年でした。
ECを運営する現場の方々もとても大変だったのではと思います。
様々な変動がありしましたが、大きくは5つ。
⑴ スマートフォン普及により、ユーザーの行動や、購入方法、時間帯などの変化
一概にスマートフォンのサイト制作といっても、PCサイトの最適化対応だけでは無理があり、PCと比べて画面が小さくなり、縦型の画面に対して今までのデザインはそのまま使えることはありません。
商品画像に関しても同様で、今までPCで見やすかった商品画像と、スマホで見やすい商品画像は全く違います。
つまりは作り変える必要がある。
スマートフォンでいかにお客様が「欲しい!」と思わせるかがポイントで、それができているスマートフォンサイトはほとんどない。
UIは当たり前に必要ですが、UX(UserExperience:ユーザエクスペリエンス)がスマホには必要である。
スマートフォンでは触る、動かく、共有する、お客様がサービスを使ったときに得られる経験や満足度を高めるサイトが求められる。
⑵ 配送サービスや受取りサービスの充実
日本の過剰すぎる配送サービスはEC運営をしている側にとっては頭を悩ませるところです。
しかし、そこが差別化になります。
ライフスタイルの変化により、お客様の受取り方法にも変化があり、楽天BOXやコンビニ受取りは当たり前に使われている。
こういったサービスをやるかやらないかという議論になりますが、私はECで売れ続けるためにはやるしかないと言い切ります。
前進なくして進歩なし。
⑶ AmazonペイメントなどのOpenIDサービス
「かご落ち」を解決する1つの方法として、OpenIDやソーシャルログインがある。
昨年リリースされたAmazonペイメント導入店舗においては、注文成約率が35%UPした店舗もある。
来年の今頃は当たり前にOpenIDでの購入ができているだろう。
IDを作ってほしいのは運営側で、お客様はシンプルに購入ができた方が良い。
⑷ SNS
SNSの投稿から物が売れる。
毎日コツコツ続けてきた店舗は気づいているはず。
Instagramの広告も始まり、いよいよ買い物ボタンがつくとさらに売れると予測する。
Googleアナリティクスからの情報からも弊社で運営しているサイトでは、目に見えて成果が現れている。
ファンの数よりも質を重視し、一対一の双方向でお客様とのやり取りをすること。
いかに感度の良い画像と興味を持たせる1文があることが重要である。
今からでも遅くはない。
まだ手を付けていなければ、今すぐやるべきです。
⑸ 越境EC
越境ECに関するセミナーは昨年どのぐらいあっただろうか。
私自身5回の越境ECセミナーに登壇している。
越境ECをやる際に壁となるのは、言葉、通貨、運営、配送、集客になる。
これらができないと越境ECは成功しない。
始めるにはまず徹底したマーケティングが必要で、まずは販売したい国を選らび、自らがその国へ行き、体感すべきである。
現在ECのノウハウは検索すればある程度出てきます。
今ECの現場で必要なのは何か?
『知識よりも知恵』である。
最後になりましたが、皆様方におかれまして素晴らしい一年となりますよう心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。
JECCICA理事・特別講師 松本 順士
数々のECサイトを運営し、レディースアパレルブランド「GRL」を立ち上げ、4年で年商30億に成長させた実績をもつ。ECコンサルティング業務にて多くのクライアントを成功に導いている。