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通販サイトにおける新たな方程式の必要性 vol.2

1. はじめに(前回の振り返りと今回の内容)
前回のコラムでは、通販サイトにおいて従来の「集客 × 転換 × 客単」の方程式が限界を迎え、新たに「顧客数 × 来店回数」という方程式が求められる背景について説明しました。今回は、新方程式が具体的に何を意味するのか、それがどのように通販サイトの未来を変えるのかについて掘り下げます。

2. 新方程式が求める「顧客数」とは
従来の通販サイト運営では、「いかに新規顧客を増やすか」が焦点となっていました。しかし、新方程式における「顧客数」とは、単なる来訪者や新規購入者の数ではなく、「継続的に関係を築ける顧客」のことを指します。つまり、リピーターやファンとなりえる可能性のある顧客を呼び込むことが大切であり、1回しか来店しない顧客は極力集まらないように意識して販促活動を行う必要があります。

継続的に関係を築ける顧客を集める秘訣は、従来の方程式の時代でスタンダードであったCVRやROASを意識しすぎないということです。理想の顧客層を集められると、当たり前LTVは上がります。

わかりやすい例を挙げると下記のような販促をしないように意識します。
●とにかく安さを訴求した販促
●他社より優れている点の訴求ばかりした販促
●今だけ限定特典などの訴求を中心とした販促

繰り返しになりますが、価格、比較、特典、煽りで新規顧客を集めないということです。従来のEC戦略では、広告を使って短期間で多くの新規顧客を獲得し、単発の売上を上げることが主流でした。しかし、新方程式では、長期的に売上を安定させるために「顧客を理解し、顧客と深い関係を築く」ことを強く意識していくことが大切です。

3. 来店回数を増やすとは
次に「顧客数 × 来店回数」における「来店回数」は、リピート購入だけでなく、サイトへの訪問頻度や、ブランドとの購入以外の接触回数も含むところがポイントです。この段階では買わせようという意識はまだ必要ありません。構造的には実店舗と同じで、来店して初めて購入できるからです。まずはお店に行きたいと思わせる理由を作ります。

実際に来店回数を増やすプロセスを挙げると下記のようになります。
(1) 基本コンテンツの充実
まず最初に、顧客が通販サイトを訪れる理由を作るためには、商品に関する基本情報を充実させることが一番効果的です。

(2) イベントの実施
次に「来店回数」を増やすためには、定期的なイベントも有効です。例えば下記の通りです。
・会員限定イベント:お得意様限定で特別な商品や新商品を先行購入できるようにするなど、特別感を演出するイベントなど。

・顧客毎のイベント:誕生日などの顧客毎の記念日に合わせたオファーを提供するイベントなど。

(3) 関連記事や読み物
1,2でベースは出来上がっていますので、次に関連する記事や読み物を提供していきます。

4. 新方程式がもたらす未来
ここまで、中身をお話してきましたが、この「顧客数 × 来店回数」の新方程式を適用することで、通販サイトにはどのような未来が待っているのでしょうか。

①売上の安定化
一時的なプロモーション頼りではなく、顧客を獲得することで、安定した収益基盤が構築できるようになります。コロナ禍ではこの差が顕著に出たのでわかりやすいでしょう。

②広告依存からの脱却
年々厳しくなっている新規顧客獲得のための広告コストが削減されるので、レッドオーシャンから脱却でき、長期的な利益率向上が期待できます。

③ブランドの向上
単なる販売プラットフォームではなく、顧客にとって「信頼できる専門店」としての地位を確立できるので、次の展開などに取り組みやすく、事業としての幅を広げることが可能となります。

まとめ
従来の「集客 × 転換 × 客単」の方程式では、新規顧客獲得に依存した経営となり、時代が変わるにつれ、持続性に欠ける側面がありました。その為、これからの通販サイト運営には、「顧客数 × 来店回数」の新方程式が必要不可欠であり、通販サイトの未来を切り拓く鍵となります。そのためには、顧客を理解し、どうすれば来店していただけるのかを考えるという商いの本質に立ち戻ることが大切なのです。

次回について
次回は、新方程式をさらに深掘りし、「来店回数」にフォーカスします。ECサイトがどのようにして顧客の再来店を促し、長期的な売上向上を実現できるかをお話します。通販サイトの持続可能な成長には何が必要なのか、一緒に考えていきましょう!

JECCICA理事・講師 豊島 恵太

EC得意分野/食品通販支援
大学卒業後、照明メーカーを起業。2013年、株式会社Eストアー入社。サポート、セールス、コンサルタントを経験し、現在は企画設計室のマネージャーとしてECの未来を作る活動
を行う。


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