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経済の動かぬ今こそ、ネットを軸に産業革命の時

経済が動かない!
昨今、新型コロナウィルス感染拡大の影響で行動が制限され、イベント中止、外出を控える動きが続いている。

例えば、全国各地の物産展に出品している食料品の事業者は、それらが中止に追い込まれたことで、在庫が生まれ、食品故に期限があって準備されたものは消化できなければ、廃棄だと嘆く。何が悲しいかといえば、その人のたちの経済活動の機会が失われるという事だ。

 必要なのは、知恵であり、今こそリアルとネット、垣根を越える時ではないかと思った。

リアルと一つになりつつあるネットの文化
実は先日、ふるさと納税サイトの「さとふる」へ行って思ったことがある。同社は、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて支援策を行っているのだが、まず着目したのは観光や宿泊施設だという。

「ふるさと納税」は応援したい自治体に寄附ができ、寄附金のうち2,000円を超える部分については所得税の還付、住民税の控除が受けられる制度である。ユーザーが御礼品をふるさと納税サイトで商品を選ぶと、自治体にお金がいき、そこで御礼品の事業者には、御礼品の代金としてお金を渡される。

そこで、「ふるさと納税」では観光においては「チケットが発送されたら、お金が入る」仕組みになっているので、極論、お客さまが観光施設を使わずとも、先にキャッシュが発生するわけで、ここで、さとふるはそれをユーザーに促したのだ。落ち着いてから観光に行きましょうと。

兼ねてから、同社が「ふるさと納税」を募るだけではなく、配送の手配なども自ら配送会社と組んで行い、お金のやり取りも自治体から代行を請け負っていた。事業者と直接的に繋がっているからこそ、支援の必要性を感じ今回の施策を考案したようだ。確かに、所得税の還付、住民税の控除が受けられる利点を思えば、ユーザーにとっては、その行動を起こしやすい。

本来、家にいて、その宿泊がキャンセルされ、一銭のお金も市場に流れないはずのものが、そうでなくて済むのは、ネットが生かされてるからこそのことだと思う。

垣根を超えるイメージを持つ
他にも、動画のレシピサイト「クラシル」を運営するdelyは、飲食店に向けて、彼らのネットショップ「クラシルストア」への出店を促し、掲載費・販売手数料も要らないと言ってみせた。それだけ「昨年の半分以下の予約状況である」「販売先の仕入れが縮小・延期となり、このままでは材料を破棄しなければならなくなる」など、飲食店の人たちの悩みは深刻だった。

さらにビビッドガーデンは、自ら運営する「食べチョク」で、有機野菜を生産するオーガニック農家らから、旬の食材を直接取り寄せできるサービスを展開しているが、3月2日から始まった公立小中高の臨時休校要請を受け、全商品の送料500円を負担する応援プログラムを実施した。リアルに比べてネットは最小限に食い止められているから、その余力でリアルを救っている。

耐え忍ぶのではなく考えよ
ここで知人の「野菜売り」の人の話をさせてほしい。10年もの間、八ヶ岳から週末になっては東京に来て、野菜を売っている。東京に来る何日か前に地元の農家に足を運び、採れた野菜を仕入れて、それを車で積んで、東京まで運んで土日の「太陽のマルシェ」などで売っている。

その人なども、朝市やマルシェはほぼ開催中止になり、唯一「丸の内行幸マルシェ」は毎週金曜日に、なんとか開催しているので助かっていると話す一方で、「お客様が居ません」と漏らす。そんな風に根性論で、「赤字を覚悟しての出店」などさせてはならない。

不安と焦りがある中で、日々の作業に追われて、考える時間もないと、そこに依存して時が過ぎる。僕はそこに甘んじ、挫折した事があるから、人のことを言えた立場でもない。でも、リアルの側も立ち止まって、思い切って変えなきゃいけない時なのだ。今の環境を変えるための一歩と知恵こそ、大事ではないか。

リアルだからネットだからと拘らない
リアルはリアルにこだわらないで、ネットはネットに固執しないということだ。ユニリーバはリアルで行う予定の会社の説明会を、5日間でZOOMに切り替えて初めてやってみたら700名が集まり、今までのやり方より効率が良かったという話もある。究極、自分たちに求められているのは何かであり、お客様に何をしたいか、なのではないか。

変な話、自宅勤務は、地域格差を軽減する材料になるようにも思えるし、本来、家でできる業務は家で行い、家庭との時間が増え、満員電車も生まない。それもネットのおかげで実現できている。ピンチはチャンスであるとは言われるが、その位自分を変えなければ後がないからである。思い切った転換を積極的にしてみて、自分たちの業務フロー、その生産性を見直す契機にしてみてはどうか。停滞ムードに悲観する前に、ポジティブに各々できる一歩を踏み出そうではないか。

JECCICA客員講師 石郷 学

(株)team145 代表取締役


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