「Instagramプロフィールへの誘導」とは
2023年11月からMeta広告の目標設定に「Instagramプロフィールへのアクセス数を最大化」が追加されました。
LPに誘導する従来のMeta広告とは異なり、直接的に売上に繋がる施策ではないため、広告運用者の目線ではそこまで優先順位が高い施策ではありませんでした。しかし、実際に試してみると「これは非常に有効なのでは」と感じることが多く、もし状況が合えば是非お試しいただきたいと思い、ご紹介いたします。
1.クリック単価が安い
いくつかのEC事業者様のアカウントで実践していますが、プロフィールへの誘導単価は¥10~15で収まることが多く、同じクリエイティブを使用しても通常のLPに誘導する広告よりも30~50%程安くなっています。
広告を見たユーザーの心理として、「詳しくはこちら」のCTAよりも「Instagramプロフィールを見る」のCTAの方が「知らないサイトに飛ばされる不安感」がない分、安心してアクションを起こしやすくなるのではと考えられます。
とはいえ、サイトを見てもらいたいという思いもあります。アカウントの作り込みにもよりますが、通常Instagramプロフィールからリンク先へのクリック率は10~20%程です。そのため、プロフィールにサイトへのリンクを設定し、うまく運用すればLPに誘導する広告単価は通常の広告と遜色ないレベルで運用することが可能です。
2.フォロワー獲得に繋がる
通常の広告ではLPに誘導した後、ユーザーが離脱してしまえばそれまでです。リターゲティングで追いかけ続ける方法もありますが、近年のCookie規制でリターゲティングの精度が落ちてますので、費用対効果が気になるところです。
また、ユーザーが購入に至るまで5回、6回、7回……と接触するごとに広告費がかかることを考えると、ユーザーとの継続接触のために広告費をかけるのは避けたいのが本音です。
Instagramプロフィールに誘導することで、その時は買う気がなくても「後で買おう」「覚えておこう」というユーザーはフォローや投稿の保存をしてくれます。一度アカウントフォローさえしてくれれば、広告費をかけずにInstagramの投稿やストーリーズで継続的な接触が可能です。
広告経由でのフォロワー獲得単価を正確に計測することは出来ないのですが、広告開始前後を比較すると、1フォロワー獲得あたり¥200~¥300程になるケースが多いです。
3.既存広告との相乗効果
Instagramのフォロワーは、自社の商品に興味を持ってくれるユーザーの非常に優良なサンプルになります。そのため、Meta広告のオーディエンス設定を「Instagramフォロワーの類似」に設定することで、広告を表示するユーザーの質を高めることが出来ます。類似ユーザーの元データとなるフォロワーの母数を新規で獲得し続けることは、ターゲティングの精度を保つ上で有効に作用します。Instagramプロフィールへの誘導広告を流すことで、新規フォロワーを獲得→類似ユーザーへの広告でCVを獲得という良い流れを作ることが可能になります。
隠れた効果:Instagram担当者のやる気に繋がる
企業Instagramアカウントを運用する上で、担当者のモチベーションは意外と見過ごされがちです。特にアカウントの立ち上げ当初はどれだけ頑張ってもフォロワーが伸びず、担当者の心がどんどん折れていくこともしばしば。
Instagramプロフィールへの誘導で継続的にフォロワーが増えていく状態は、Instagram担当者のモチベーションアップにも繋がります。Instagramに限らず、SNSの運用は継続が重要ですので、担当者のモチベーションを少しでも高められる施策であれば試してみる価値があると思われます。
Instagramアカウント運用とのハイブリッド施策が鍵
以上のように、うまく使えば非常に有効に作用するInstagramプロフィールへの誘導広告ですが、あくまでも出来る事は「プロフィールへの誘導」までです。そこから先、フォローしてもらったり、リンクをクリックしてもらう確率を高めるためにはInstagramのアカウント運用も平行して行うことが大事です。
●プロフィールにユーザーのメリットが書かれているか
●上部に表示されている投稿に統一感はあるか
●ハイライトにセールや新作など、見て欲しい情報を登録しているか
など、まずは出来る範囲でプロフィールの見た目を整えることから始めましょう。
JECCICA客員講師 矢崎 宏一郎
(株)ISSUN チーフマネージャー
得意分野/WEB広告 EC販売支援
WEB広告のなかでもAI系広告を得意とし、事業規模に合わせた集客戦略でD2Cの売上を2年で10倍にするなどで、日本上位3%の代理店であるGoogle Premier Partner認定に貢献。