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「伝える」と「伝わる」のあいだにVol.24 アイデアの基本は「言われた通りに動かない」

あけましておめでとうございます!今年もおひまな時にこのコラムをのぞいて頂ければうれしいです!

私は時々「コピーやアイデアってどうやって考えるんですか?」と聞かれます。でも系統だった「コピーのひらめき方・書き方」なんてものはないので、なかなかうまく言語化できません。
しかし何となく自分なりの「考え方の基本」はあり、もしかしたらそれが誰かのヒントになるかも…と最近思うようになりました。クライアントの若手社員の方が「どう考えたらいいか分からなくて…」と悩んでるのを耳にしたからかもしれません。年初の今回はそのあたりのことをお話しますね。

★行き詰まったら「そもそも」
お仕事で「これのココを変えたい」「これのもっといい表現やアイデアが欲しい」という課題があるとします。
まず「これ」自体を眺めて一生懸命考えますよね。どう説明しよう、便利さをどうアピールしようって。そして案をいくつか出した後、わりとすぐに行き詰まりませんか?「ありきたりだ」「あんまり面白くない」って。

既存の制作物の微修正なら「この文言だけ新しく差し替えればいいか」となるので一見簡単ですが…本当にそれでいいのでしょうか?差し替えた文言と既存の図や説明とが噛み合わなくなり、ツギハギっぽくなりませんか?

そうやって「困ったな」となった時に思い出して欲しい言葉、それは「そもそも」です。「そもそも言われた範囲だけ考えてていいのか?」と自問自答する。そして「そもそもの課題自体を白紙に戻してみよう」まで行ってみる。これ大事です。

★ペンを売る方法より大事なこと
「指示通りのものを考える」を至上命題にしてはいけません。なぜならその課題自体、狭くて小さいかもしれないからです。例え偉い人からのオーダーであっても同じこと。1つきりの狭い範囲の課題を大事に抱えすぎると視野は狭くなり、想像を超えるものはなかなか出にくいのです。

映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」に出てきた有名な問いかけをご存知でしょうか。何の変哲もないペンを取り出し、相手に「このペンを私に売ってみろ」と言うやつです。言われた方は焦って売り文句や手法を考え始めますが、当然そう簡単には思いつかない(今回の本筋ではないので答えは検索してみて下さいね)。

「何も思いつかーん!」となった時には「ペンを売るうまい言葉や方法」ではなく「なぜこの人はペンを売れと言うのか(なぜ自分はペンを売るのか)」の方から考えてみるのです。

そもそも、他のペンじゃなくそのペンである理由って何?ペンが売れると会社はどうなる?ペンを買ったお客さんにどうなってほしい?ていうか、ペン売らなくてもよくない?ペンがないと困ることって何?

★さかのぼれば見えてくる
「そもそもに立ち返る」とは、与えられた課題の一歩もニ歩も手前の、目的や思いまでさかのぼることです。「一度白紙に戻して考える」も、根本から見直すということ。狭い範囲の凝視をやめて俯瞰で見る。出発点までたどり直す。
根っこまでさかのぼれたら、「この部分だけ差し替える」なんて補修よりも目線が広く高くなります。何なら最初から真逆の方向に走れたりする。

「庭のココに穴があいた。ふさいでくれ!」というオーダーを受けたら「いかに上手く元の状態に戻すか」に頭を悩ませすぎず、「穴に新しい木を植えてみる?」「いっそ穴を広げて池にして魚を飼う?」まで広げてみるのです。

課題の範囲だけを凝視しない。指示されたことだけやらない。根本の思いまでたどる。矢印とは逆の方向も見てみる。いい言葉やアイデアはそういう姿勢から生まれやすいのです。困ったらぜひトライしてみて下さいね。

JECCICA客員講師

コピーライター 近藤あゆみ

Lamp 代表
博報堂コピーライターから(株)ネットプライス・クリエイティブディレクターを経てフリーに。企業のMMVやネーミング、サイトディレクションなど手がける。恋愛コラムやブログも人気を博す。


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