情報通信の環境変化
「Windows が変わった!携帯電話が変わった!」
東京オリンピックの年、2020年も明けパソコンや携帯電話・スマートフォンなど情報通信に関わる環境が変化しています。年明け注目すべきは、「Windows 7の延長サポートの終了」です。延長サポートも2020年1月14日に全世界で終了し、日本時間では15日の深夜に最後のセキュリティアップデートが配布されました。延長サポートが終了した2020年1月14日以降は、Windows 7のパソコンを起動すると、次のアナウンス画面が全表示されます。「今後、このメッセージを表示しないに」チェックすれば、以降は表示されません。
このアナウンス画面を慎重な思いで眺めておられた方も多かったことと思います。この延長サポートが終了しても、Windows 7のパソコンが突然使えなくなるわけではありません。このJECCICA会報誌をご覧になるころは、2月中旬ですので、「Windows 7を使い続けても問題ないではないか!」とお考えの方もおられると思います。
「延長サポート終了」で、Microsoftが毎月配布していたセキュリティアップデートがWindows 7のパソコンに対しては配布されなくなりました。Windows 7に大きなセキュリティホールが見つかっても、Microsoftからその修正に必要なセキュリティパッチが提供されず、お使いのパソコンは、ウイルスやマルウエアに対する脆弱性が高まっているわけです。
セキュリティを重要視しなければいけない銀行のインターネット取引「ネットバンキング」やクレジットカードなどの会員ログインで、ネットワーク上・インターネット上のローカルパソコンのOS種類とそのバージョンを検知し、「サポート終了のOS」を検出した場合、閲覧や利用をできなくしている銀行やクレジット会社サイトも一部みられます。
昨年末にMicrosoftが発表した日本法人の稼働台数(Windows 7)は、800万台を越えるそうです。これらを使い続ける上での注意点を考えてみましょう。
<Windows 7を使い続ける理由>
・バージョンアップに費用がかかる。
・使い慣れたOSである。
・使っている(使い慣れている)アプリが動作する。
・使っているパソコンスペックが低くバージョンアップすると動作が重くなる。
・ESU(有料拡張セキュリティ更新プログラム2023.1.14まで)を使用する。
<万全を尽くし粘ってここまで>
・セキュリティソフトでウイルス対策を万全に。
・セキュリティソフトのWindows 7対応に期限がある。
・ESU(有料拡張セキュリティ更新プログラム2023年1月14日まで)の使用。
・Office 2010は延長サポートが2020年10月13日まで。
・Office 2013は延長サポートが2023年4月11日まで。
・ブラウザはChromium版Edgeもしくは、Google Chromeを使用する。
Windows 7の使用は、最大ESU(有料拡張セキュリティ更新プログラム)の期限が切れる3年後が限界と思いますが、アプリケーションやデバイスドライバーなどのサポートも終了していきますので、早めにOSのアップグレードしておくことが得策と思えます。
「使い慣れたWindows 7で長年使っているアプリでやりたい!」「インターネットつながないので大丈夫!」と言われる方、おられますが、ローカルパソコン、完全に遮断すること可能でしょうか?
パソコンで効率的に情報処理を行う以上、何らかのデジタルデータ、ファイルの出入りがあります。仮に「インターネット接続をしていない」「社内LANに接続していない」としても、デジタルデータ、ファイルをUSBポート経由で取り込む、微弱信号電波ですが、マウスやキーボード、プリンターの無線接続、Bluetooth接続など、外部からの侵入は皆無とは言えません。
「USB接続をしない」「デジタルカメラのメディア取込をしない」など完全に外部よりのデータ侵入をなくし、インターネット接続が不要で更新の必要もないアプリケーションを使い続けるという特殊なケースであれば、Windows 7を使い続けることも可能かと思いますが、業務内容の進化や業務効率を考えると、得策でないことは言うまでもありません。
Mac OS X で Windows をお使いの方も多いと思います。Mac OS X で Windows を使う方法は幾つかありますが、Apple社がドライバを提供している「Boot Camp」と、機能が多く動きも軽快で好評の「Parallels」を利用したWindowsのアップグレードについてご紹介します。
Boot Campは、
Intel CPU を搭載した Mac に Windows をインストールすることができる便利な機能で、Apple 提供しているものです。OS を切り替えて使うので、マシンのスペックをすべて使用可能ですが、OS を切り替えて使うので、Mac と Windows の同時操作は不可です。MacマシンがWindows 10に対応していれば、アップグレード可能です。Windows 10 のインストールツールが手に入れられれば、現在も無償でアップグレード出来ると思います。
Parallelsは、
Mac上に構築した仮想環境に Windows をインストールする有料ソフトです。機能が多く・動きが軽快で、Mac と Windows の同時操作可能です。Windows 10対応のParallelsであれば、アップグレード可能です。Windows 10のアップグレードは無償です。
以下の画像は、MacBook Pro 上に構築した仮想環境に Windows 10をインストールする有料ソフト(Parallels DeskTop 15)を利用したケースです。
ヘッダーは「Windows 7」とありますが・・・
システムの詳細を見ますと、
間違いなく「Windows 10」64bitとなっており、Windowsライセンス認証も通っています
デスクトップ画面のヘッダー表示と実際のシステム内容が異なるというチグハグな結果ですが、
Mac上に構築したWindowsのアップグレードも問題ないこと確認できました。
昨年末に、携帯電話などの無線通信サービス(移動体通信事業者)SoftBank 、au 、DoCoMo
らキャリア3社は一斉に、「修理に必要な部品を確保することが困難となったため、一部携帯電話機の修理を終了」と、修理受付終了(予定)機種リストを発表しました。
修理受付終了とは、事実上、ユーザーは買え替えをせざるを得ませんが、リスト掲載の機種は、ガラケーと呼ばれる機種に誤解されがちな面々ですが、運用が停止(停波)されるのは、3G回線で、具体的には2022年3月末に停波する、auの「CDMA 1X WIN」です。現在主流の回線は4G回線であり、その一つ手前の回線が3G回線ということになます。今年2020年には、5G回線の運用が開始されるので、そうなると3G回線は2世代前の回線となり、各キャリアともこれらの3G回線機種の販売を停止、もしくは縮小、修理受付終了機種リストに掲載させているのです。ガラケーということではなく3G回線の機種を示し、中にはスマートフォン、auの
「iPhone5 / 5s / 5c」らも使用出来なくなります。現在主流の回線4G回線の運用が停止するのは、10年~15年先でしょうから通信手段そのものが変わっているかもしれません。
「ドコモ 4Gケータイ」
現在、ドコモのガラケー(ドコモ 4Gケータイ)は4機種で、3G回線のiモードに相当するネット接続機能は、ドコモのスマホと同様に「spモード」で、4Gケータイのことをドコモでは「spモードケータイ」と呼んでいます。spモードのサービスの大半はスマホ用となっており、4Gガラケーで利用できるサービスは少ないですが、キャリアメールの「ドコモメール」に、iモード時代のメールアドレスを引き継ぐことが可能、そしてショートメール(SMS)も使える「ドコモ 4Gケータイ」、根強い人気です。
各キャリアが強くおすすめするのが、「スマートフォン」であり、5G回線の運用が開始される2020年にいっきに古い機種を整理、販売終了にしようとする意図が見え隠れします。
携帯電話のショートメール(SMS)と言えば、
ショートメッセージサービス(SMS)の送信文字数制限が昨年2019年9月10日より、70文字(半角160文字)から670文字(半角1530文字)へ変更となりました。これにより、他キャリアの携帯電話やPHSにも長文のSMSを送信できようになりました。SMSを送信する際は、送信相手がSMSを受信できるプランをキャリアで契約している必要があります。
住所、メールアドレスがわからなくても、「携帯電話番号がわかればメッセージが送れる。」「パソコンからのメールは見てもらえないがSMSは開封率が高い」などとあって、受注確認メールに使われるようになった。営業メールに使われることも増え、詐欺メールなどに悪用されるケース増え、また、「文字数が少なく実用的ではない!」という意見もありました。
・約10倍近くの文字数制限が変更となり
・キャリアが利用者の信用調査強化
・キャリアの犯罪防止への監視
SMS料金は、各キャリア共通で上限の670文字を送信した場合、一回につき30円かかる体系となっている。
各キャリア共通料金表
2020年東京オリンピックの年を迎え、パソコンや携帯電話・スマートフォンなど情報通信に関わる環境が変化していること、WindowsのOSグレードアップ、携帯電話の修理受付終了リスト(ガラケーとスマートフォン)、ショートメール(SMS)の文字数拡大を例にお話しました。
JECCICA特別講師 松橋 正一
EC得意分野/モールEC構築、amazon出品支援
楽天、ヤフー、amazon、自社サイトなどECサイトの運営経験を基に、数々のショップを構築サポート。大規模ECサイトの効率的な構築、データ処理システム構築を得意とする。