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ECを主体としたD2Cブランドにおいてカタログが復活している5つの理由

昨年FRACTAのノートで記載させていただきました記事をベースに、昨今のコロナウィルス事情などでECが伸びている中、あらためて「カタログ」が持つ強さについて、取りまとめてみました。

ECを主体としたD2Cブランドがカタログに再注目しているようです。D2C成長の鍵となったFacebookやInstagramの次の一手として、集客において重要なチャネルの一つであるとの見方が強まっています。
D2Cブランドに関する記事では、次のようなことが書かれています。

“デジタルネイティブなD2Cブランドにとって、カタログは一見古くてコストのかかるチャネルに思えるかもしれませんが、実際には、チャネル全体のマーケティングミックスが最も成長を促進していることに気付きました。ダイレクトメールもカタログ同様、リテールブランドにとって非常に効果的なマーケティングチャネルになる可能性があるとし、再び活用を復活させる大きな動きもありました。”
「5 reasons catalogs are making a comeback with DTC brands」2019.11.06
https://www.retaildive.com/news/5-reasons-catalogs-are-making-a-comeback-with-dtc-brands/566599/
より引用

このように、デジタルネイティブなコミュニケーション設計を実行しているブランドがカタログを活用している理由については、以下の5つから語られています

1.データ
優れたマーケティングを展開するブランドではデータ活用が欠かせませんが、カタログの仕組みはデータと好相性です。カタログもデジタル同様、One
to Oneのコミュニケーションであるため、カタログからデータを取得し、マスではなく個人のニーズ特定から効果測定までが可能です。

2.リアルタイムでの分析レポート
カタログデータからは豊富なインサイトを得られますが、これまではそのレポート結果をみるまでに約30〜45日間という膨大な時間がかかっていました。しかし、今では毎日、リアルタイムにレポートを確認できるようになりました。カタログからデジタルと同じ速度でデータを取得できるようになったことで、ブランドのチャネルを横断した検証が可能となり、担当マーケターはどこにコストをかけるべきかの意思決定を、的確に判断できるようになりました。

3. FacebookとInstagramの飽和によるチャネルの多様化
D2Cブランドの多くは、FacebookまたはInstagramのグロースハッカーを採用し、広告やマーケティングの強化を行っていますが、それらはすでに飽和状態にあり、広告価格は高騰、新規参入企業も増え続けています。そのため、カタログはD2Cマーケターにとって自然と、多角的展開におけるチャネルの一つとして選択されています。

4.ソーシャルとカタログの相互補完性
D2Cは当面、FacebookとInstagramでの展開を続けるだろうと予想されています。また、カタログもソーシャルに代わるというわけではなく、互いに補完し合う性質を持っているため、双方を使用していくことで相乗効果が期待できます。実際に、カタログとFacebookを活用しているブランドでは、どちらか一方しか活用していないルグループと比較して、ユーザーの反応が10%増加したという結果も最近出てきています。(ROIはテスト検証するべきではありますが。)

5.Webマーケティング戦略がカタログにもマッチ
多くのD2Cマーケターはデジタルネイティブな戦略設計を実行していますが、Webマーケティングの基礎である、テスト・検証を繰り返して改善する手法を効果的に取り入れています。
例えば、TikTokのような新しいソーシャル戦略が自分たちのブランドに効果があるのか、新しいInstagramキャンペーンが新しい顧客を惹きつけたのか、メルマガクーポンキャンペーンが売上増加につながったのかを知ることができます。
カタログの効果測定とレポートは、即時に確認可能になってきているため、D2Cブランドのように垂直立ち上げが必要なケースや、急成長中のブランドにおいては高速でPDCAを回して成長するための選択肢となり得ます。

日本でもカタログは見直され始めている
日本国内でも「カタログの再発明」にチャレンジしている企業が存在します。カタログ通販大手の株式会社ディノス・セシールは、2018年に今までのカタログという紙媒体の概念を全く新しい存在にアップデートしました。

[ディノス・セシール事例:紙のカタログにデジタルのテクノロジーを込める|デジタルマーケティング情報サイト
MarketingBase](https://marketing-base.jp/hot/7446)

また、国内企業である株式会社グーフからは「コネクテッドプリンティングサービス」が展開され、日本国内でも「紙媒体の再構築」は始まっています。

[“テクノロジーで『紙』の新たな価値を創造する”をミッションに、コネクテッドプリンティングサービスを展開する株式会社グーフ、株式会社ディノス・セシール、株式会社アスコンから六千万円の資金調達を実施|株式会社グーフのプレスリリース](https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000049873.html)

あらためてEC化率が急速にあがりつつある現状を鑑みて、できることを考え、急激に変化していく市場に対応していくことが今後必要になっていくと強く感じています。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 河野 貴伸

株式会社フラクタ 代表取締役
EC-CUBEエバンジェリスト
Eコマースに関わる人材育成とブランディングに重点を置き、業界の発展とEC-CUBEの普及、デジタルイノベーションの推進支援をメインに全国でセミナー及び執筆活動中。


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