ウォルマートの次世代型仮想試着
小規模百貨店とも言えるウォルマートでは、品質が高く、流行に敏感で、アクセスしやすいアパレルとアクセサリーの品揃えを拡大するために、過去数年間にさまざまな取り組みを行なってきています。顧客にとって最大かつ最も近い店舗は、顧客のポケットの中にあると考えているウォルマートは、スマートフォンで顧客が品揃えを発見し、新規および既存の顧客が自信を持って買い物できるようにする革新的なショッピング体験の作成と導入を優先しています。その一環として、年初に”Choose My Model”という、モデルを利用した仮想試着サービスを始めました。さらに今月、スマートフォンで店内での試着室体験をもたらす、業界をリードする技術でもある”Be Your Own Model”というまさに次世代型試着サービスを開始しました。
このテクノロジーは、上のイメージのように、元々は非常に正確な地形図の作成に使用されていたアルゴリズムと複雑な機械学習モデルを使用しており、顧客は自分の写真を使用して仮想的に試着した衣服の影、生地のドレープなど超現実的なシミュレーションを数秒で見ることができるようになっています。たとえば、1枚のシャツでも色、サイズ、袖丈などさまざまなバリエーションがありますが、Be Your Own Modelを利用すると、これらすべてのバリエーションをキャプチャし、各個人にどのように見えるかを示しますので、より現実的な試着体験が可能となります。
さらに、仮想試着できるアイテムは、ウォルマートの高級ブランドとプライベートブランドのポートフォリオ全体が可能で、その数は270,000を超えています。また、Champion、Levi’s、Hanesなど国内有名ブランドから厳選された商品や、ウォルマートのマーケットプレイスの一部の商品も体験可能で、参加ブランドのポートフォリオは今後もどんどん拡大していくとのことで、まさにウォルマートならではの利点を多いに活用できます。
現在、Be Your Own ModelはiPhoneのウォルマートアプリユーザー向けに提供されており、仮想試着が有効になっている商品の場合、商品ページにお試しボタンが表示され、自分自身(Be Your Own Model)またはモデル(Choose My Model)の選択オプションからスタートでき、利用も簡単なようです。Be Your Own Model機能を使用すると、顧客はウォルマートアプリ内で指示に従い自分の写真を撮り、自分の身長を入力すると、右イメージのように自分自身をモデルとした仮想試着のイメージが商品アイテム内に表示されます。これにより、オンラインでのアパレルのショッピングがより魅力的になることは間違いないでしょう。近々に、Androidデバイスでも利用可能になるようです。
(各イメージはウォルマートのホームページより抜粋)
JECCICA客員講師 渡辺泰宏
カリフォルニア在中チーフエグゼキュティブ、戦略ビジネスコンサルタント。日米の顧客に対し、新規ビシネス戦略立案および解約、新規パートナー開拓、コーポレートマーケティング、オンライン、ソーシャルメディア、モバイルマーケティングの戦略立案、EC市場動向分析及び商会等の戦略的コンサルティング。