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製造業や卸業のEC事業部が行うべきこと

製造業や卸業、ブランドメーカーのEC業界への進出が拡大しています。BtoB-ECの市場規模は、BtoC-EC市場規模の18倍以上の市場規模(2021年度電子商取引に関する市場調査結果を公表(経産省)より)であり、コロナの影響により過去からの商流での売り上げ、利益の確保が賄いきれない現状をWEBの力を使うことで補っていくという考え方が形として拡大してきています。 ※2021年のBtoB-EC化率は35.6%で(前年比2.1ポイント増)販売スタイルとして、BtoC,BtoB,DtoC,DtoC寄りのBtoC等々、事業者がそれぞれに定める販売形式にて展開が行われています。今回はまさにその渦中で活躍している製造業や卸業、ブランドメーカー等のEC業務に携わる担当者向けのコラムになります。 是非知見を広げていただければと思います。

まず最初に組織的に人員配置が的確に行われ、EC事業部が新たに設立されたケースや、今までなんとなくEC事業、業務を遂行してきたが満足できる成果が生まれていないケースも含め、まず最初に行うべきことは、【明確な売り上げ目標の設定】となります。経営陣や上長より掲げられている現在の売り上げ目標が、根拠のない数字でないことを明確にするために、まずは徹底的な調査と、理論に基づいた仮説提案資料の作成業務が必須となります。なぜ、自身の会社としてその売り上げがEC運営で必要なのかを明確にします。経営陣や上長により、根拠のない目標値を掲げられた事業部ほど酷なものはありません。今まで多くの現場を見てきましたが、一つの法則として言えるのは、目標値が無い、根拠のない目標値が掲げられている、実績、成績のみで評価されるといったEC運営チームや事業部は、人の出入り(入退社)がとても激しく、売り上げも低迷している状態が続いています。多くの事業者の経営陣、上長は、根拠のあるEC業界の売り上げ目標の設定方法を知らないと言えるので、担当者自らが経営陣、上長に決断、判断を頂くための素材を提供する必要があるのです。経営陣、上長に決断、判断を頂くための素材(資料)を提供、提案することがEC事業部のスタート、または再構築の第一歩となります。

確認事項-1
本事業における事業計画書の中にEC事業計画項目があるかを確認
単体でEC事業計画資料がある際も、現状とのギャップを精査して、矛盾点や不明点を抽出しましょう。 EC事業に携わる担当者として、事業計画は必ず把握しておく必要がありますし、明確なものが無ければこの機会に作成する必要があります。

確認事項-2
業界のEC市場規模調査、競合分析を徹底的に行う。
経産省(市場規模等)や総務省(EC利用世帯や購入品目等)にある資料、業界情報(組合や社団法人、業界メディア等)より、自社の立ち位置が業界からしてどのあたりかを知り、同じ立ち位置であろう競合先や業界上位が、どのようなEC運営を行っているかを評価シートなどを用いて見える化させます。 GoogleCromeのプラグインであるKeyword Surfer等を活用すれば、調査先となるサイトのアクセス数を簡単に知ることが可能です。ざっくりとしたアクセス数を知ることにより、様々なシュミレーション(自社のコンバージョンや購入単価等)が行え、いままで見えてこなかったものが見えてくるようになるでしょう。

確認事項-3
売り上げ目標設定に際し、売り上げに至るまでのプロセスポイント項目数値の目標値設定を行います。WEBを活用した事業なので、売り上がるまでのプロセスポイントにおいては深堀ができます。売り上げ目標に対して、直帰率、アクセス数、アクセス人数、平均ページビュー数、平均滞在時間、コンバージョン率、購入単価、リピート計画、訪問導線等々、非常に多くの項目に着手できればできるほど、精度の高い売り上げ目標値が掲げられるはずです。

確認事項-4
過去のEC販売データや問い合わせデータ等より、ペルソナ設定を行う。(EC販売データが無い際は、本事業からのデータをまずは参考に)複数あっても良い(もしくは複数必要)のでペルソナ設定を行いましょう。BtoB⁻EC であれば、販売する商品やサービスによっては、経営陣、役職付き、現場側の責任者といった形で複数のペルソナ設定が必要な場合もあります。 ECサイトのデザインレイアウト、導線計画、商品ページ制作内容等に直結する項目なので、現在は以外にも軽視されがちなペルソナ設定も、実は顔より変わらず非常に重要な設定事項になります。

確認事項-5
EC事業計画策定の素材、資料を経営陣、上長に提示、提案する機会を貰いましょう。見える化させる成果物として、次のものがあります。
・全体、業界のEC市場規模、動向等
・過去データ(EC運営している場合)からの実績共有
・EC事業部の役割分担図、業務フロー図
・改善理由を含めたボトルネック抽出
・売り上げ目標を達成するために必要なプロセス値
・根拠のある明確なEC事業計画、短中長期といった売り上げ目標値

資料的には数十ページに至るケースがほとんどですが、資料作成にあたりこれを手掛けた担当者はまず自身がおかれた立ち位置がよく理解でき、自身の向かう先が明確になります。また、感情や思い込みが入らない資料となるので、判断、決断、説得素材が多いため、経営陣、上長等の理解度が格段に上がるでしょう。

この資料を基にセッションを重ねていけば、より精度の高い目標値の設定はおろか、実際のEC運営での成果も実現していける体質になっていくと考えます。

小林厚士プロフィール写真

理事【小林厚士のプロフィール】

地方型Eコマース経営・運営総合的アドバイザー
主な経歴
1996年:建設業にてCADとの出会いによりPCへの可能性に目覚め転職を決意
1997〜99年11月:自作PC制作、販売、環境構築、法人向けトレーナー
サービスを展開
1999〜05年3月:ネット販売会社設立 2箇所の海外支店をハブに、最大7店舗のネットショップ運営展開を行う
2005年4月〜:アイズモーションウェブコンサルティング設立
2007年6月:株式会社アイズモーション設立
2013年:WEB・EC及び経営コンサルティング支援を行い現在に至る

・99年より楽天市場出店を期に、最大7チャネルのECサイトを運営
楽天店舗では02年楽天ショップオブザイヤースーパーオークション賞受賞
・長野県・新潟県・富山県・山梨県登録専門家(IT部門)
長野商工会議所経営革新支援アドバイザーセンター 登録専門家
経済産業省中小企業支援ネットワーク強化事業 認定専門家

物販で培ったマーケティングノウハウを活かし、経営視点かつ現場最優先の実践的なコンサルティングを得意とする。

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