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これはすぐ使える!部門別・業務別AI活用事例〈第2章〉


※株式会社ブレーン『社長、その仕事、AIに任せなさい!』からの引用

4.人事・採用:求人文、評価表、マニュアル作成に使える!
〈導入ストーリー〉D社の人事担当・伊藤さんは、慢性的な人手不足を背景に「応募の来る求人文が書けない」と悩んでいた。求人媒体に出すたび反応は薄く、打つ手がない中、AIを使ってみることに。求職者層に合わせたトーンや魅力的な表現をAIが提案し、「これは使える!」と確信。AIで複数案を比較しながら、応募率の高い表現を検証するプロセスも導入した結果、応募数が2倍に。面接後の評価コメントにもAIを活用し、記録の均一化にも役立っている。人事部門では、「文書化」「仕組み化」が求められる業務が多く、AIの文案生成力が真価を発揮します。

〈活用例〉
・求人原稿の作成(複数パターンの試作)
・面接時の質問集・採用評価のひな型作成
・社員研修マニュアルのたたき台生成
・採用スケジュール案内メールの生成
・内定通知文や辞退通知文の文章作成

〈プロンプト例〉
・「20代後半の女性をターゲットに、未経験歓迎の事務職の求人文を考えてください」

〈効果〉
・採用までのスピードが向上
・業務マニュアル整備がしやすくなる
・教育・OJTの均一化にも貢献
・人事対応の印象アップにつながる

5.広報・マーケティング:発信力を一気に底上げ!
〈導入ストーリー〉E社では、ホームページやSNSの更新が“片手間”になっており、担当の川口さんは「何を書けばいいかわからない」と更新を後回しにしがちだった。ある日、ChatGPTに「この商品を紹介するSNS文を作って」と頼んでみたところ、ターゲット層に刺さるコピーが複数出力された。それをそのまま画像と組み合わせて投稿すると、反応が大きく変化。今ではAIで原案を作り、自社トーンに調整する“ひな型活用”が当たり前になったという。発信力が問われる広報・販促の仕事こそ、生成AIの力を借りて“伝わる言葉”を磨けます。

〈活用例〉
・SNS投稿文の複数案作成(時間帯・ターゲット別)
・ホームページ文面のリライト・要約
・メルマガやブログの見出し案や導入文生成
・プレスリリースのたたき台作成
・読みやすいキャッチコピーの比較生成

〈プロンプト例〉
・「高齢者向け健康食品を紹介するInstagram投稿文を考えてください。親しみやすく安心感のあるトーンで」

〈効果〉
・発信頻度の向上
・社内に広報担当がいなくても一定の品質確保
・発信→反応分析→改善のサイクルが早まる
・文章スタイルのバリエーションが広がる

6.AI導入で気をつけたいポイントと現場の声
実際に導入して見えてきた“つまずき”と“工夫”
どれだけ便利なAIツールでも、「入れただけ」でうまくいくわけではありません。現場の声としてよく聞かれるのは、「社員がうまく使えなかった」「プロンプトの書き方がわからない」「成果物をそのまま使ったら誤解された」といった“ちょっとした壁”です。
しかし、これらはほんの初期段階のつまずきです。OJTの一環として「この業務ではこう使う」と事例共有をしたり、AIの出力を必ずダブルチェックする運用ルールを決めることで、スムーズな定着につながります。また、「社員全員が同じ使い方をする必要はない」という柔軟なスタンスも大切です。営業部は提案文、経理は案内メール、人事は求人文など、各部門の“ちょっと手間な作業”を1つずつAIに置き換えることで、無理のない社内浸透が図れます。

チェックリスト:導入時に意識したい5つのこと
1.「どの業務で使うか」を最初に決める(例:まずは議事録)
2.プロンプトの例を事前に共有しておく
3.出力された内容のチェックフローを決めておく
4.社員に“使っていい雰囲気”をつくる(禁止でなく推奨)
5.月1回程度の使用例共有会などでノウハウを蓄積

現場の声(コメント集):
 ・「文章を書くのが苦手なので、最初の素案作成に助かっています」(営業職)
 ・「求人文が毎回違っていたのが、今では統一感が出て助かっています」(人事)
 ・「最初は抵抗があったけど、“AIにここまでできるんだ”と驚きました」(総務)

7.社長・経営層の視点で考えるAI活用戦略
“現場任せ”にしない、中小企業におけるAI導入のリーダーシップ
現場レベルで生成AIの効果を実感できたとしても、全社的な成果につなげるには、やはり経営層の理解と旗振りが欠かせません。現場が便利に感じても、導入の全体設計がなければ「使っている部署とそうでない部署の差」が拡大し、情報格差や不公平感を生み出す原因になります。

社長や経営幹部が意識すべきポイントは、以下の通りです。
1.「AIを使う」ことを方針として宣言する
使ってよい、試してよいという空気をトップがつくる。
2.「AIの活用目的」を社内で共有する
単なる時短ではなく、生産性向上・業務の質改善という観点で説明する。
3.「活用状況の見える化」を行う
どの部署が、どんな業務でAIを活用しているかを社内で共有。使い方の参考にもなる。
4.「評価制度」や「目標管理」に絡めて活用を促す
AIを活用した改善提案を評価に反映する、KPIに組み込むなど。

こうした取り組みによって、単なる便利ツールの枠を超え、“経営資源”としてAIを位置付けることができます。

8.社内教育と継続的なナレッジ共有の仕組み
AIツールは日々進化しており、「去年学んだことが今年は古くなる」ということも珍しくありません。そのため、導入時だけでなく“継続的に学び、共有する場”の仕組みづくりが重要です。

おすすめの仕組み例
・月1回の「AI活用共有会」
各部署での成功例・失敗例を5分ずつ発表するカジュアルな場を設ける。
・社内Wikiや掲示板に「プロンプト事例集」を蓄積
部門ごとに使えるプロンプトを保存・共有。
・OJTでの積極活用
新入社員や異動者に「まずAIで調べる・書かせる」習慣を教える。

教育担当者がいない場合でも、まずは「Googleドキュメントなどの共有ノート(クラウドメモ)でお互いのAI利用例を記録」や「社内チャット(SlackやGoogleチャットなど)に質問専用チャンネルを作る」から始めて、小さな改善から社内文化を変えていくことが可能です。

9.AIの導入がもたらす“経営的インパクト”とは?
生成AIの導入によって、中小企業にどのような“数字的成果”が期待できるのか。実際に導入企業からよく挙げられる項目は以下のようなものです。

・作業時間の削減(年間○○時間)
・残業時間の減少
・営業メールやSNS投稿頻度の増加
・企画書・提案書の作成スピード2?3倍化
・求人応募数の増加、採用決定率の上昇

たとえば、ある建設業の中小企業では、週1回のメールマガジン発行をAIで自動化した結果、顧客からの問い合わせが前年同期比で1.4倍に増加。SNSの更新も週2回以上に安定し、外注していた記事作成コストが月5万円削減されたという例もあります。
これらの変化はすべて、“一人ひとりのAI活用の積み重ね”によってもたらされます。

10.AI活用の未来展望と中小企業の成長機会
今後、生成AIの進化はますます加速し、「単なる文章生成」から「意思決定補助」や「対話型システムを活用したカスタマーサポート」など、より実務的かつ高度な活用領域へと広がっていきます。
中小企業にとってのメリットは次の2点に集約されます。

1.小回りがきくからこそ早く動ける
導入の決定から運用までが大企業よりも短期間で済み、効果検証→改善が早い。
2.現場との距離が近いため、効果を体感しやすい
社長や管理者が実際の成果をすぐ確認・実感できるため、モチベーションを維持しやすい。

たとえば、今後の活用可能な分野として、次のようなアイデアが挙げられます:
・電話応対内容のAIリアルタイム要約
営業電話の内容を要約して記録、引き継ぎミスを削減
・受注データの自動仕分けと予測
AIに過去データを学ばせ、次の月の売上や在庫を予測
・顧客ごとの対応履歴と提案内容の一元管理
対話履歴を蓄積し、提案内容を最適化
・自社のFAQページ自動生成
社員の質問対応をもとに、社内・社外FAQページを自動で生成

AIが“人の仕事を奪う”のではなく、“人の頭脳を補うパートナー”として進化していく未来。中小企業こそ、その恩恵をいち早く受けられる立場にあります。

11.中小企業がAIで強くなるための5つのマインドセット
AI導入は単なる業務効率化だけでなく、「企業文化の転換」をもたらします。これからの時代に備えたマインドセットを、経営者・社員ともに共有しておくことが重要です。

1.失敗を恐れず「試してみる」文化を持つ
完璧を目指さず、まずは使ってみる。「うまくいかなかった」経験が、次の改善に生きる
2.「全員が同じ使い方をしなくても良い」と割り切る
得意な人は多く使い、苦手な人は最小限から始める。強制せず、自然な活用を促す
3.「AIの出力は必ず人が確認する」ルールを徹底する
ミスや誤解を防ぐために、チェック体制を文化として定着させる
4.「現場の工夫」をすくい上げ、社内に展開する
小さな成果を“会社全体のノウハウ”に昇華させる
5.「AIに頼ること=楽をすること」とネガティブにとらえない
目的は「空いた時間で、より創造的な仕事をする」ためであるという共通認識を持つ

このような考え方を根付かせることで、AI導入は単なる流行ではなく、経営に不可欠な基盤として定着していきます。

JECCICA客員講師

JECCICA特別講師 小宮山 真吾

EC得意分野/経営革新からIT戦略的活用
全国1位、全国高評価講師・講習全国商工会連合会「経営革新塾」あなたの売るを劇的に変える独自の実践型コーチングを取り入れクライアント問題解決から高い評価と実績。

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