一般社団法人ジャパンEコマースコンサルティング協会

トップページ – JECCICA記事 – 姪っ子世代は検索しない -SNS・動画で買う人たちとの付き合い方-
シェア
ポスト
メール

姪っ子世代は検索しない -SNS・動画で買う人たちとの付き合い方-

姪っ子世代は検索しない -SNS・動画で買う人たちとの付き合い方-

先日、姪っ子からコスメを勧められました。「これ、ほんとにいいから使ってみて」と、ずいぶん熱心です。私も職業柄つい気になって、「それ、どこで調べたの?」と聞いてみました。すると返ってきた答えが、こうでした。

「調べてない。流れてきた」

一瞬、意味が分かりませんでした。調べていないのに、なぜそんなに詳しいのか。よくよく聞いてみると、TikTokやInstagramのおすすめに何度も「流れてきて」、気づいたら覚えていて、気づいたら欲しくなっていた、というのです。比較サイトも見ていない。検索窓に商品名を打ち込んでもいない。それでも彼女は、その商品を自信を持って人に勧められるほど「知って」いました。

今回は、この「調べてない、流れてきた」から考えたことをお伝えします。

「知る→検索→比較→購入」が崩れている

私たちEC事業者が長年前提にしてきた購買行動は、「商品を知る→検索する→比較する→購入する」という流れでした。だからこそSEOに力を入れ、比較されたときに勝てる商品ページを作り込んできたわけです。

ところが姪っ子世代の買い物には、真ん中の「検索」と「比較」がありません。おすすめフィードに流れてくる動画や投稿で商品と何度も出会い、興味が育ち、あとは「タイミングが合った瞬間」に買う。検索するとしても、それはGoogleではなくSNSの中だったり、最近ではAIに「これってどうなの?」と聞いてみたり。私たちが慣れ親しんだ導線の外側で、買い物が完結しているのです。

「若者は検索しない」と言い切ってしまうと語弊がありますが、少なくとも「検索から始まらない」買い物が増えているのは間違いなさそうです。

では、どう付き合えばいいのか

こうした変化に、私たち中小のEC事業者はどう向き合えばいいのでしょうか。ポイントは3つあると考えています。

「見つけてもらう」から「流れてくる場所にいる」へ

検索されないのであれば、相手のフィードに「流れてくる」存在になるしかありません。といっても、バズを狙う必要はないのです。おすすめフィードに乗るのは、作り込まれた広告よりも、日常の温度感がある投稿だったりします。商品が生まれる裏側、スタッフの何気ない一言、お客様とのやりとり。完璧じゃなくていいから、続けること。「何度も見かける」ことが、この世代にとっての「知っている」なのです。

検索されたときの「答え合わせ」に備える

検索しないと言いつつ、彼らは買う直前に一度だけ調べることがあります。それは比較のためではなく、「本当に大丈夫か」の答え合わせのためです。このとき、レビューが極端に少なかったり、SNSで評判が全く見つからなかったりすると、「怪しい」と判断されて静かに離脱されます。派手な露出よりも、誠実なレビューへの返信、公式アカウントのきちんとした運用。答え合わせに来た人を安心させる受け皿を整えておくことが大切です。

売り込まず、覚えてもらう

この世代は、その場で「買わせよう」とする圧力にとても敏感です。広告っぽさを感じた瞬間、指は次の動画へスワイプしていきます。大事なのは、欲しくなる「タイミングが合った瞬間」に思い出してもらえる存在になること。以前のコラムで「ファン化」についてお伝えしましたが、まさにあの話とつながります。売り込みではなく、関係づくり。遠回りに見えて、これが一番の近道だと感じています。

まずは、身近な若い人に聞いてみてください

偉そうに書いてきましたが、私自身、姪っ子の一言がなければ、この変化をここまで実感することはなかったと思います。データや記事で「Z世代は〜」と読むのと、目の前の若い人の買い物を見せてもらうのとでは、腹落ちの度合いがまるで違います

もし皆さんの周りに若いスタッフやお子さん、姪っ子さん甥っ子さんがいたら、ぜひ聞いてみてください。「最近買ったもの、どこで知ったの?」と。返ってきた答えが「調べてない、流れてきた」だったら、それは皆さんのお店にとって、次の一手を考える最高のヒントになるはずです。

シェア
ポスト
メール
客員講師

松本 誠世

(株)MARSOLUNA 代表取締役

2004年(株)ネットプライス入社、2007年同社初の女性執行役員就任。数々の新規ECサイト立ち上げに参画。ビジネス面からのシステム構築、オペレーション構築・改善等のコンサル・営業支援を手掛ける。

関連記事

客員講師

松本 誠世

(株)MARSOLUNA 代表取締役

2004年(株)ネットプライス入社、2007年同社初の女性執行役員就任。数々の新規ECサイト立ち上げに参画。ビジネス面からのシステム構築、オペレーション構築・改善等のコンサル・営業支援を手掛ける。

累計3,000万本のヒットを生んだ
「奇跡の歯ブラシ」に学ぶ
売れる市場と事業のつくり方