コンサルタントの必須スキル“ 聴き方 ”
日常的に行なわれているコミュニケーションですが、 “ 聴き方 ”は相手との関係性をより深めることが出来るコンサルタントにとって欠かせないスキルの一つです。コンサルタントから一方的に質問や説明をするのではなく、クライアントの想いや考えを “ 聴き方 ”によって深く引き出すことができたら、クライアントの満足度が高まることは間違いないでしょう。ここでは、コミュニケーションの基本 “ 聴き方 ”について考えていきます。
非言語コミュニケーション
(「視覚情報」「聴覚情報」五感を使ったコミュニケーション)
① Door Open
② Silence (間)
③ Pacing (ペース&リード)
私たちは小さい頃から「人の話をよく聞きなさい!」と言われた記憶がありませんか?でも「人の話をよく聞きなさい!」ってどうやるんでしょうか?巷では “ 話し方 ”の講座はよく見かけますが、 “ 聴き方 ”の講座はあまり見たことがないです。そこで“ 聴き方 ”についてお話したいと思います。
① Door Open
1,人に相談するときに 相手がどんな感じだと相談しにくいですか?
2,安心して相談できる相手は、どんな感じですか?
私たちは人に相談をする時に、相手の様子を伺ってから相談を持ちかけますよね。その相手の様子によって相手の “ 聴き方 ”を察しています。例えば、パソコンの前に座って仕事に打ち込んでる時に、後輩から「○○さん、ちょっと相談したいことがあるんですけど」と言われたときに「なーに?」と応えました。言葉では「なーに?」と応えていますが、手はパソコンのキーボードの上に置いたまま、姿勢はパソコンに正面を向いたまま、顔だけが相手の方を向いて「なーに?」と受け答えをしています。こういう先輩が聞き役になった場合、相談する後輩はどう思うでしょうか。どう感じるでしょうか。私がその後輩でしたら「○○先輩、今ちょっと忙しいそうだから後にしよう」と思って「○○先輩すいません。お忙しそうだったんで、またお手すきの時にお声がけします」と言って、その場では相談することができないと思います。ここで学ぶのが○○先輩が、どういう “ 聴き方 ”だったのか。つまり体の向きは、その相談者の後輩ではなく、パソコンに向いています。また手もキーボード上に乗ったまま顔だけが後輩の方へ向いていた。受け答えは確かに「なーに?」とちゃんと人の話を聞いて、相談を聴きますよ。という言葉に受け取れますが、姿勢が全く人の話を聴く “ 聴き方 ”の姿勢にはなっていなかったということです。私たちは、どうしても言葉に集中してしまうことが多いですが、言葉だけじゃなく、言葉以外の非言語コミュニケーションを重視することを忘れないようにしたいものです。
例えば姿勢以外にどういったところを私たちは “ 聴き方 ”として見たり、感じているでしょうか?例えば “ 目線 ”。目が泳いでるとちょっと怖いですが、 話を聴く人から目線を合わせてもらえない。全然違う所に目線が向いていると、やっぱり話しかけづらいですよね。そして姿勢は、話を聴く人と正面で向き合った姿勢を取っていただきたいと思います。また、ありがちなのは腕組みです。腕組みをしながら人の話を聴かれると、「この人に相談すると難しそうだな」と感じて相談しづらくないですか。そしてこれは抽象的な “ 聴き方 ”ですが、「雰囲気」この人に今、相談できそうだなという雰囲気を感じるかどうか。これもとても大事な “ 聴き方 ”の要素だと思います。このような言語情報、何を言ったからではなく、非言語コミュニケーション。その様子から感じられることから、相手に話しかけたい、相談したいと感じることが非常に大きな要素になります。ぜひ、 “ 聴き方 ”の1つ目は、非言語コミュニケーション「Door Open」に重点を置いてみてください。今までとは全く違う “ 聴き方 ”を皆さんはできるはずです。
② Silence (間)
自分の言いたいことを整理したり、勇気を持って、自分のことを持ち出そうと決意する。
“ 聴き方 ”の2つ目は、非言語コミュニケーション「Silence (間)」です。日本語に直すと「間」です。「Silence (間)」についてお話をします。皆さんは、人と話をしている時に意図的に相手の会話の中で「Silence (間)」を意識しているでしょうか。「いや、そういう経験はないかな」というあなたは、是非、 “ 聴き方 ”として「Silence (間)」を意識してみてください。どういう時に「Silence (間)」を意識すれば良いか、一例をご紹介します。
スイスの精神科医・心理学者 ユングの「タイプ論」では、人間の性格は 2つの態度に分類されます。外交的(Extraversion) と 内向的(Introversion)です。外交的(Extraversion)態度では、自分の思考や考えを皮膚の外側でまとめることが得意な人です。
つまり喋りながら思考や考えをまとめるのが得意ですから、外交的(Extraversion)の方同士だと、話しまくり、周りからはなんだかつじつまが合わない会話がずっと続いているような印象です。反面、内向的(Introversion)態度では、自分の思考や考えを皮膚の内側でまとめるのが得意です。そして皮膚の内側でまとめてから外に発言をするのが特徴です。
もしあなたが外交的(Extraversion)だろうと内向的(Introversion)だろうと、話し手の方が「この人は、内向的(Introversion)だな」という場合、意図的に「Silence (間)」を作り、内向的(Introversion)の方は、とても話しやすいと思うことでしょう。「この人と話をしてると本当に話しやすい。聞いてくれているな。」という感想を持たれるはずです。それは内向的(Introversion)な態度の方にとっては自分の内側で思考や考えをまとめる時間、つまり「Silence (間)」が必要だからです。
ぜひ皆さんも相手を観察して「この人は内向的(Introversion)なんだな」と思ったら意図的に「Silence (間)」を作って頂いて、ご自分の中で思考や考える時間を待って、その後の会話を続けていくというコミュニケーションを意図的に “ 聴き方 ”として持たれると、今までとは違った “ 聴き方 ”ができるようになります。
③ Pacing (ペース&リード)
話し手、聴き手双方に合っている状態
(言葉、トーン、スピード、テンションなど)が心地よい状態
“ 聴き方 ”の3つ目は、非言語コミュニケーション「Pacing (ペース&リード)」です。「Pacing (ペース&リード)」とは、相手の言葉、トーン、スピード、テンションなどにペースを合わせることで、よく聞いてくれた状態、心地よい状態になることです。
こちらが急いでる時に、相手もそのペースに合わせて欲しいのに、すごくゆっくり対応された体験はありませんか?
例えば、駅員さんに「すいません、今ちょっと急いでるんで、ここの駅に行くにはどこで乗り換えたらいいですか。」と尋ねると、「んんん・・・お乗り換えですか・・・。今お調べしますので・・・、少しお待ちくださいね・・・。」といったように、こちらの急いでいるペースに、駅員さんはちっとも合わせてくれない。いらいらするなぁ。と私は、駅員さんに決して良い印象を持たないと思います。そんな時は、駅員さんに「すいません今ちょっと急いでるんで、ここの駅に行くにはどこで乗り換えたらいいですか。」と尋ねると、駅員さん「お急ぎなんですね、今すぐにお調べしますので少々お待ち下さい。」と言ったように私のペースに合わせてくれると、「あっ、この人は話しをよく聞いてくれてるな」という心地よい体験をすることができます。相手のペースに合わせて人の話を聞く。これが一つの「Pacing (ペース&リード)」です。
この「Pacing (ペース&リード)」をワークショップを通じて体験頂けます。二人でペアになり向き合って座ります。程よく2人の距離を空けます。そして一方の方が腕を前に相手の胸の位置の辺りに伸ばします。そして相手の方は別に何もせず、普段通りに呼吸をします。そして相手の胸のあたりに伸ばした腕の方は、相手の呼吸を感じて、上下に腕を動かします。息を吸ったと感じたら上に、吐いたと思ったら下に下げると言ったように、相手の呼吸に合わせて腕を上下します。もちろん相手の呼吸は、目で見える物ではないので、相手の呼吸を感じながら腕を上下に動かします。最初は感じるということを意識したことがないので、手の動きは呼吸と合わないことが多くあります。しかし大丈夫です。必ず時間が経ってくると、だんだん腕の動きが相手の呼吸にあってくるようになります。
この後に、腕の動きが呼吸にピッタリと合った後にお互いの感想を伺うと、不思議な事があったようです。腕を上下に動かして相手の呼吸があってくると、よかったなぁという体験がありますが、呼吸をしてる方は、ただ相手が腕を上下してるだけで、普通に呼吸をしてるだけなんですが、腕の動きが呼吸に合っていないと居心地が悪く感じ、腕の動きに呼吸が合ってくると、なぜか心地良い状態、心地よい気持ちになるというフィードバックをもらえることがあります。不思議 ですね。ただ呼吸をしているだけなのに、相手の腕の動きが自分の呼吸と合ってくると、心地良い状態になるということです。これがずばり「Pacing (ペース&リード)」。相手とペースが合ってる状態のことです。
このように言葉によるペーシングもありますが、言葉ではない、非言語コミュニケーションのペーシングも重要な要素になります。是非、皆さんもこのワークを一度お試しいただき、「Pacing (ペース&リード)」を体験ください。
さて、コンサルタントの必須スキル“ 聴き方 ”はいかがでしたでしょうか?コンサルタントにとって “ 聴き方 ”は相手との関係性をより深めることが出来るコンサルタントにとって欠かせないスキルの一つです。日々のコミュニケーションのなかで、“ 聴き方 ”を意識し、コミュニケーションの基本 “ 聴き方 ”を深めていきましょう。
※YouTubeでは、 “ 聴き方 ”ノーカット版の講座をご覧頂けます。
https://tinyurl.com/yyej8ztw
JECCICA特別講師 小宮山 真吾
EC得意分野/経営革新からIT戦略的活用
全国1位、全国高評価講師・講習全国商工会連合会「経営革新塾」あなたの売るを劇的に変える独自の実践型コーチングを取り入れクライアント問題解決から高い評価と実績。