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2018年のEC市場規模から推測する、今後のEC業界について

BtoC-EC 市場規模
(物販系分野・サービス系分野・デジタル系分野で構成されます)総計は2017年16兆5,054億円、2018年17兆9,845億円で伸び率は8.96%です。

・物販系分野
2017年8兆6,008億円、2018年9兆2,992億円で伸び率は8.12%です。
・サービス系分野
2017年5兆9,568 億円、2018年6兆 6,471億円で伸び率は11.59%です。
・デジタル系分野
2017年1兆9,478億円、2018年2兆382億円で伸び率は4.64%です。

多くの方が目安として、BtoC-ECの市場規模は2017年が17.5兆円で、2018年は18兆円で伸び率は8.96%だという認識で、「全体的に伸びている」というイメージが強いかと思います。ここで着目して欲しい項目が、「物販系のBtoC-EC 市場規模は9兆2,992億円である」ということです。商品を仕入れまたは製造しECモールや自社サイトで販売する、いわゆる販売環境がインターネット上にある小売販売の市場規模という認識となります。物販系分野の内訳は、「食品、飲料、酒類 /生活家電、AV 機器、PC・周辺機器等/書籍、映像・音楽ソフト(オンラインコンテンツを除く)/化粧品、医薬品/生活雑貨、家具、インテリア/衣類、服装雑貨等 」 となります。2018年のEC化率が6.22%ですので、今後の伸びしろについては大変期待できるものとなります。しかしながらサービス系分野の伸び率11.59%に着目すると、これは驚異とも言えます。サービス系分野の内訳は「旅行サービス/飲食サービス/チケット販売./理美容サービス」であり、近い将来、物販系のBtoC-EC 市場規模を追い抜くであろうと推測ができます。

BtoB-EC 市場規模
BtoB-ECについては、2017年が318兆円、2018年は344兆円であり、伸び率は役8,17%であった。EC内での市場規模としては、BtoCよりもかなり大きな規模であることが伺えます。また、EC化率においても2018年は30.2%であり、もはやインターネットを活用してのビジネスは一般的な認識となっているとも言えます。業種別の大分類として、「建設/製造/情報通信/運輸/卸売/金融/サービス/その他」に区分されていますが、その中で一番大きな市場規模はやはり卸売業となっています。2017年94兆440億円、2018年は103兆9510億円となっています。EC化率も2017年が26.9%、2018年は27.7%であり、BtoC,BtoB-ECの中では最高値となっています。今後EC市場がますます伸びていく業種としては、建設不動産業、食品、運輸業などが候補として推測できます。

CtoC-EC 市場規模
CtoC-ECは、フリマアプリとネットオークションに分類されます。フリマアプリの市場規模は、2017年4,835億円、2018年6,392億円であり、伸び率は32,2%となった。ネットオークション市場(BtoC、BtoB を含む)については、2017年1兆8億円、2018年1兆133億円であり伸び率は1,24%であった。フリマアプリの市場規模はスマホの普及率や活用方法の進化によって、老若男女問わずに利用、活用頻度が向上していると推測され、今後ますます数値の向上が想定されます。また、ネットオークション市場についての伸び率は停滞感が伺え、今後はオークションで競り合うという使い方ではなく、フリマアプリで即出品、販売、購入という文化が根付いていくと思われます。

DtoC(Direct to Consumer)
今に始まったものではありませんが、最近EC市場でメキメキと存在感を表しつつある「メーカー直販形式」となります。メーカー直販形式として、大手メーカーによる自社サイトでの直販が主たる認識でしたが、最近では中小企業のメーカーや製造元などが積極的にECでの直販形式を戦略として取り入れています。モール出店のみに依存せず、自社サイトで運営を行うことで、潜在顧客の掘り起こしや既存ユーザーへの手厚いサポートやコミュニケーションが可能となり、成果を生み出している地方に存在する中小企業メーカーが増えています。メーカーや製造元として、商品開発やテストマーケティングの場として活用が行え、直販限定モデルの販売などが行える点も着目すべき部分となります。ここ数年の実例として多いケースとしては、DtoC戦略を取り入れたメーカーや製造元の商品がSNS等によって拡散され、マスメデイアに取り上げられることなどにより、既存の卸先に商品を提供することが出来なくなる程の注文件数が伸びつづけた結果、結果的に卸先に商品を提供する割合を減らし自社の直販で利益を獲得していく戦略を取る企業が少なからず増えて来ています。DtoCのターゲットモデルは今後ますます進化していくとともに、市場の拡大は確実に行われていくと考えられます。

JECCICA理事

JECCICA理事・特別講師 小林 厚士

地方拠点かつ海外事業部展開をしたEC企業経営で培ったマーケティングノウハウ及び実績を活かし、経営戦略的視点を重視した、現場最優先の実践的なアドバイスを得意とする。


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