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『いついかなる状況でも』とは言いますが… ~リモートワーク下でのマネジメントを考える~

あれから1年が過ぎ…

私は2020年4月からほぼリモートワークになりましたので、この状況でもう1年を経過してしまいました。このコラムをお読みいただいているみなさんの働きかたと環境は様々だと思いますが、みなさんの関係しているプロジェクトはその後健全な運営が継続されていますでしょうか。

私の関係するあるプロジェクトでは、不定期ではありますが以前よりオンラインミーティングを行っていましたので、基本的な運営に関しては特に大きな問題は顕在化していません。ただしメンバー個々のメンタルやモチベーションといった部分では多少気になる部分は出てきています。以前なら、直接会って個別に話しをするとか、場合によっては食事をしながら多少ラフにお話をするといったコミュニケーションを取る努力をしていました。人と人の付き合いはやはりFace to Faceが基本なのだと今更ながらに痛感している次第です。

取り立てて言うようなことをしていたわけではありません。ミーティング後にちょっと呼び止めてその場でフォローしたり、休憩中にちょっとした確認や感謝や労いを伝えたりです。それがオンラインミーティングだけではなかなかやりにくいだけなので、個別にメッセージを送ったり、場合によってはオンライン通話をしたりといったちょっとした内容をこまめに個別対応をすることがとても大切かと思います。

そもそもプロジェクトとは

システムの企画・開発や運用に関わるプロジェクトにおいては、そのプロジェクトを構成するメンバーがとても重要であることは言うまでもありません。通常プロジェクトメンバーは既存組織から横断的に選定されてきます。各部門の業務に精通していると思われる、ある程度のキャリアを持った人材が充当されるのが通例かと思います。場合によっては次期リーダーと目される若手の抜擢もあるかもしれませんが、いずれにしても現体制の中では優秀と言われる方がたのはずです。

ところがなぜか通常業務との両立に思った以上に苦慮していたり、プロジェクトに対するモチベーションがなかなか上がらないという不満が時々見受けられます。
通常業務だけでも忙しく、プロジェクトにまで手が回らないとか、プロジェクトに注力していて通常業務がおろそかになると評価が悪くなるとか、プロジェクトが成功しても直接評価につながらない。
というようなお悩みをお聞きすることがありますが、これはプロジェクトに対する動機づけがきちんとできていないせいです。プロジェクトは通常業務よりもプライオリティが高くある必要があります。
なぜならプロジェクトとはある目的・目標のために集められたチームまたはその活動そのものだからです。加えて期限があります。
場合によっては社内のプロジェクトが多すぎる。または同時期に複数のプロジェクトに兼任させられているなども見直す必要があります。

そしてますます管理職不遇の時代に

通常業務とプロジェクトの狭間でお悩みのメンバーも大変ですが、それを管理するマネージャーはさらに大変です。ここで言うマネージャーとは、プロジェクトマネージャーにも該当しますが、どちらかというと既存組織の管理職をイメージしています。通常業務とプロジェクトの両立をさせるための指示もなく、結果を出せと言うだけの上司になりがちです。よく成果主義と言われていますが、実情は旧態依然とした年功序列の名残が大きいのかもしれません。1960年代の高度経済成長期や1980年代のバブル期のように多かれ少なかれ今年よりは確実によい来年が期待できた時代とは比較のしようもないのです。確実な昇給・昇格が約束できなくなったので仕方なく成果主義を持ち出してきているのではないでしょうか。

いついかなる状況でも結果は出さなくてはならない。働き方改革で勤務形態は多様化するばかりですし、リモートワークからワーケーションへという流れのなかで管理職のみなさんは仕事ではなく部下を追い回しだします。朝からきちんと始めているか。途中はさぼっていないか。最後まで時間どおりに働いているか。
というように勤務態度と時間の管理に注力してしまいがちです。頻繁に報告は求めますが指示はありません。「期限まであとxx日」を繰り返すばかりのタイムキーパーとなります。

今後の管理職にはリソースと成果の管理が求められます。
成果主義というからには最大限の成果を得るために、いかに合理的にかつ効率的にリソースを配置または投下するかです。ここで言うリソースとは、『ヒト』『モノ』『カネ』『情報』です。
従来でも同様のことが言えますが、このリモートワーク下でそれがより明確になったような気がしています。

さぁ、あなたがいつもオンラインで見ているのはメンバーの『執務時間』と『勤務態度』ですか。それとも『能力』と『成果』ですか。

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特別講師・参事

和田 務

得意分野/業務分析、業務改善・ITコンサルティング

株式会社シーズファクト代表取締役社長。クライアントサイドに立ったITコンサルティングをECに限らず幅広い視点から行い、企画から運用まで全てのフェーズでのプロジェクト支援が可能。

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和田 務

得意分野/業務分析、業務改善・ITコンサルティング

株式会社シーズファクト代表取締役社長。クライアントサイドに立ったITコンサルティングをECに限らず幅広い視点から行い、企画から運用まで全てのフェーズでのプロジェクト支援が可能。

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