大手ECモールを使う様子をアイトラッキング – Vol.3 Amazon.co.jpに敵なし…メトロノームを探す企画系女子の視線
お米を探すシーン・スリッポンを探すシーンとお届けしましたが、3回目今回はメトロノームを探すシーンのご紹介です。
Vol.1をご覧になっていない方は、是非最初(お米を探すママは検索結果で商品を決めている)からご覧ください。
・Vol.1 お米を探すママは検索結果で商品を決めている
・Vol.2 Vol.2 戸惑いっぱなし、スリッポンを探すテック系女子
・Vol.3 Amazon.co.jpに敵なし…メトロノームを探す企画系女子の視線
・Vol.4(まとめ) 大手ECモールを利用する際の視線に関する4つのポイント
3回目の今回は、『20代中盤の企画系女子』に協力いただきました。調査概要は下記の通り。
・20代中盤、企画系の業務を担当する女性
・普段使うECモールはAmazon.co.jp(ただしスマホかタブレットばかり)
・シチュエーションは、実際に本人が思っていた『メトロノームが欲しいと思っている』
・タスクは『買っても良いと思える商品を探し、買い物かごに追加する』
たまに利用する程度の楽天市場、スムーズに商品決定
まずは楽天市場です。
・トップページの検索フォームよりキーワード検索
・検索結果を上から少しずつ確認し、一つの商品をチェック
・検索結果に戻り、最上位の商品をチェック
・再び検索結果に戻りデザインが気になった別の高額な商品をチェックするが、先程の最上位の商品ページへ戻る
・レビューを確認する
・検索結果に戻り価格順に並べ替える
・再び先程の商品に戻り、買い物かごへ追加
どこを見ていたのか
それでは、ゲイズプロットを見てみましょう。
検索結果です。過去2回の傾向との共通点が見えてきましたが、まず写真で商品をチェックし、気になったら商品名や価格を確認しています。
こちらは検索結果を価格の安い順に並び替えた時のゲイズプロットです。USEDのアイコンばかりが並んでしまったため、新品に絞り込みたかったようです。
最終的に買い物かごに追加した商品のページでは、商品名・価格・画像を確認しています。スペックは見られていませんね。
殆ど利用経験のないYahoo!ショッピング、商品検索に苦労?
楽天市場はスムーズに商品を探すことができましたが、Yahoo!ショッピングでは検索結果がなかなか期待通りにならなかったようです。
・トップページの検索フォームよりキーワード検索
・期待とは異なる商品の写真が表示され、商品ページ内で何の商品か確認する
・用途が異なることが分かり、検索キーワードを試行錯誤しながらいくつかの商品をチェック
・気になる商品が2つ見つかり、送料を確認しながらトータルでどちらが安いか判断
・買い物かごへ追加
どこを見ていたのか
商品検索に少し翻弄されていた印象のあるYahoo!ショッピングですが、視線はどこへ配られていたのでしょうか。
まずは、『メトロノーム』とだけ入力して検索した最初の画面です。
最上位の商品は商品名までチェックしていますが、他の商品は写真しか見ていないことが分かります。
楽天市場で選んでいた振り子タイプの物は検索されていません。
こちらは、期待に近い商品が表示された時の検索結果です。
上位2件に視線が集まっており、商品名や価格が見られていますね。一方でそれより下の商品は、振り子タイプではないため写真しか見ていません。
最終的には、3つの商品の送料を含む合計価格を比較し、商品を決定しました。
Yahoo!ショッピングでは、検索結果のページにて送料無料かどうかは確認できますが、無料でない場合の送料が確認できないため、各商品ページ内で確認する必要がありました。
こちらが、最終的に選んだ商品のページ。必要最低限の情報のみ確認しています。
スマホとタブレットで使い慣れたAmazon.co.jp、PCサイトでもストレスフリー
スリッポンの時はあまり良い結果にならなかったAmazon.co.jpですが、今回は本領発揮といった結果でした。
・トップページの検索フォームよりキーワード検索
・検索結果の2段目に、見た目も価格も理想の商品を発見(この時点でほぼ意思決定済み)
・念のため他の商品を確認したり、より安い商品が無いか探す
・もっと良い物は無さそうなので、最初に確認した商品を買い物かごへ追加
どこを見ていたのか
こちらのゲイズプロットは、最終的に商品を買い物かごに入れる直前に見ていた検索結果ページです。
1段目中央と2段目左側の商品に興味が向いていますが、検索結果で商品情報を確認する際の目線の移動量が他サイトと比べ少ないことが分かります。
なお、この2段目左側の商品が価格がとても安く、この時点でほぼ意思決定していたようです。
こちらは、『念のため他に良い商品がないか探している』時の視線移動です。
画面の中央を上から下まで一直線に流し見しているだけ(所要時間約4秒)ですが、これだけでイメージに近い写真が有るか無いかを確認できてしまっているようです。
大規模ネットショップの滞在時間の短さ(https://vwo.com/blog/2013-top-ecommerce-websites-analytics-benchmarks/)の秘訣は、こういうところに隠されているのかもしれません。
商品ページは、写真・価格・カートに入れるボタンと言った、最低限の箇所しか見ていません。
初めて利用するポンパレモール、良い商品を見つけられず…
最後はポンパレモールですが、前回のスリッポンに続き良い商品を見つけられないという結果に終わってしまいました。
・トップページの検索フォームよりキーワード検索
・『ダー◯◯◯◯ー』風の商品が目に留まりクリックするが、価格が高すぎるのでページを閉じる
・目当ての商品を見つけるが、価格が高いので検索キーワードを変更する
・再び目当ての商品を見つけるが、やはり価格が高い
・全体的に価格が高い印象を受け、断念
どこを見ていたのか
こちらは、最初に入力したキーワードによる検索結果ページです。振り子タイプの商品が表示されていますが、好みのデザインでないため写真しか見ていません。
下から4つ目の商品は目当ての商品でしたが、価格が高く商品ページは確認しませんでした。
検索条件を変更し、気になる商品を見つけられましたが、この商品も価格が高く候補に入りませんでした。しかし、やはりポンパレモールは主要情報が写真近くに集まっており目線の移動量は少なくなっています。
商品ページの方は、他サイトと同様に写真・価格といった最低限の情報しか確認していません。
まとめ
今回は、全体的に目線の移動はとてもスムーズで、必要最低限の情報を確認し商品を選んでいました。
また、Amazon.co.jpでの商品発見までの時間の短さが光りました。検索結果が一発で決まったことと、絶対的な価格の安さが決め手でした。
・楽天市場 約4分
・Yahoo!ショッピング 5分強
・Amazon.co.jp 約2分(実質50秒で意思決定)
・ポンパレモール 3分弱で断念