2025年 年頭所感 小林厚士

新年明けましておめでとうございます。

皆様におかれましてはお健やかに新しい年をお迎えのこととお慶び申し上げます。

旧年中は、一般社団法人ジャパンイーコマースコンサルタント協会（JECCICA）への格別のお引き立てを賜わり誠に有難うございました。皆様のご支援のもと、無事に新春を迎えることができ心から感謝申しあげます。

現在、2024年12月の初旬。１年は本当に早いもので、気がついたら年頭所感を書く時期となっておりました。まずは2024年のEC業界を自分なりに振り返りたいと思います。

2024年のEC業界の動向として、一番体感しているのが「AIと機械学習の進化」が挙げられます。AIと機械学習は、ユーザーの購買履歴や行動パターンを分析して、個々の顧客に合わせた商品の提案や広告運用を行うことができます。これにより、顧客満足度が向上することでコンバージョンが上がり、結果として売上が増加します。また、顧客サポート面の強化として、チャットボットや自然言語処理（NLP）技術を活用した顧客サポートは、24時間365日対応が可能となりつつあり、顧客の問い合わせに迅速に対応できるようになってきました。まだまだ進化は必要ですが、これにより顧客満足度が向上し、顧客のつなぎ止めやリピーターを増やすことができます。また、年々増加しているフィッシング詐欺対策にも役立ちます。不審な取引やアカウントの活動を検出し、早期に対応することができますが、ユーザーに対しての周知認知の拡大の活動も重要であると考えます。AIは、マーケティングキャンペーンの効率化にも寄与しています。ターゲットオーディエンスの特定や、最適な広告配信タイミングの決定が可能となり、マーケティングコストの削減が期待されます。これらの目まぐるしい進化により、EC業界は更により効率的で顧客に焦点を当てたビジネスモデルを実現していくと考えています。

2025年は、これらの動向がさらに進化し、EC業界に新たなチャレンジと機会がもたらされると考えます。AIと機械学習の技術は、さらに高度化し、顧客体験のパーソナライズ化が進むでしょうし、また、サステナビリティの重要性がますます高まっている中、商品ジャンルにもよりますが、企業は環境に配慮した製品やサービスを提供することで、消費者の信頼を得ていく必要があります。

2025年は、EC業界がさらに様々な角度から成熟し、技術革新と消費者の期待の変化に適応することで、新たな成長の機会が広がる年となると考えています。

次に着目する2024年のEC業界の動きとしては、質の高いオンライン無料セミナーの急増が挙げられます。コロナウイルスのパンデミックを数年間経験した中での産物としては、オンラインによるリモートでの業務遂行や、オンラインミーティングでの業務効率の向上などが一般化し、働き方改革の一つの要因となりました。　結果として2024年のEC業界ではオンラインセミナーの乱立化が加速しました。その背景には、EC業界の成長と競争が挙げられます。EC業界のコンサルタントやベンダー、サービス企業は顧客の関心を引きつけブランド認知度を高めるために、有料級ともいえる講座内容も多く、有益な情報や気づきが得られる無料セミナーにより価値を提供しています。

これは今までになかったソリューションであり、知識の向上として無料セミナーを通じて、最新のECトレンドや技術について学ぶことができ、聴講するユーザーのメリットも非常に大きなものであり日常化しています。逆に情報過多に陥りやすいという一面も持ちます。 セミナーが乱立しているため、どのセミナーが信頼できるか、どの情報が自社に適合するのかを見極めるのが難しくなりますし、質のばらつきという現象もおきており、すべてのセミナーが同じレベルの質を持っているわけではなく期待外れのものもあります。　ＩＴのテクノロジーによって時代が変わりましたが、セミナーや勉強会においては、講師と参加者の距離が近く気軽に質問などができるリアル開催も必要とされていることは事実でもあります。

最後に、当会は本年も引き続き、常に最新の業界動向や様々な視点から市場の動きを睨みつつ、より優秀なECコンサルタントや企業内のEC事業部リーダーを多く輩出できる様、邁進していく所存でございます。
本年も皆様方の益々のご隆盛とご健勝を心からお祈り申し上げます。

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