アパレルの「カゴ落ち」問題を根本解決する
アパレルの「カゴ落ち」問題
体重は落としても、カゴ落ちさせない!日々ダイエットに精進している筆者です。アパレルにおけるカゴ落ち、つまり購入確定者のECサイトの離脱要因のひとつに「どのサイズを選べば良いか、わからない」問題があります。ひとくちにMサイズといっても、ゆったり着たい、ピッタリ目が良い、など、アパレルECは「情緒的商品」、数値・スペックだけでは決められず、「好みとセンス」が購入決定を阻害しています。
カゴ落ちならともかく、他ブランドを買われる無念
一般的に、ECではこの「サイズがわからない」問題を「返品交換できます」で対応するケースが多かったように思います。しかし、買う側としては、「申し訳ないな」という気持ちとともに、自分が返品する工程が脳裏をよぎり「面倒だ、やっぱりやめた」と購入をためらうケースもあるでしょう、筆者はそのタイプです。
10年ほど前、こうしたカゴ落ち対策について、一般ユーザ10名ほどから意見をもらう機会があったのですが、驚愕の回答が返ってきたことを今でも覚えています。SNS広告で素敵なジャケットを見つけた、オンラインだとサイズ感がわからないのでリアル店舗で試着した、サイズはピッタリだった、でもとなりのお店に素敵なジャケットを見つけた、結果そちらを買って帰った。あ〜、それよくあるよね〜、と盛りあがっているのです。日々グーグルアナリティクスとにらめっこしながらカゴ落ちをの原因を探っている筆者からすれば、痛恨の極みです。しかも広告を踏んでいるとは。広告経由で「謎のカゴ落ち」、実は店舗で他のブランドを買っていた事件です。
40〜50代に人気のアパレルブランドの例
40〜50代に人気のアパレルブランドに「DoCLASSE(ドゥクラッセ)」さんがあります。商品詳細ページのサイズ表の下にある「今すぐ試着してみる」ボタンにご注目ください。
アパレルECにとってこの「サイズ表」は命綱です。ここまで見てくれればもう購入寸前です。別ページにして、そのページビューユーザだけリマーケをかけておけば良いくらいです。が、筆者の場合、このサイズ表でもうギブアップです。家の中から巻き尺を探してきて自分の体のサイズを測っている時間があるなら、ひとつでも多くグーグルアナリティクスを見ていたい、そう、それがEC魂というものです。でも、試着ボタンなら押す時間はあります。
次の画面では、年齢、身長、体重、好みのゆとり、部位で気になるところ、よく着るブランドのサイズなど、次々に入力を求められるので、サクサク入力してゆきます。
結果がでました、サイズ表を見た限り、筆者の場合、どう考えてもMサイズでしたが、Lサイズがお勧めと出ています。本当に?と、半信半疑で試着結果画面でLサイズとMサイズを比較してみます。フィット感が数字と図で表示されます。オンライン試着なので、他のサイズ違いも気にせずどんどんフィット感を試せます。結論、たしかにこれならLサイズで即購入ボタンが押せます。ここまで確信が持てるなら「返品交換しなくて済みそう」と罪悪感なくオンラインで購入できます。もう吉祥寺や新宿の「ドゥクラッセ」のお店に試着しにゆく手間も時間も省けるというわけです。
国産の試着サービス「unisize」
「DoCLASSE(ドゥクラッセ)」さんのカートはFutureShopさんを使われていますが、この仕組みはサイズ・レコメンドエンジン「unisize」で達成しています。海外ECや外資系アパレルでは10年以上前から「フィットファインダー」というサービスが勢力を伸ばしていました。これは日本語でも使えるのですが、ところどころに英語が表示されるため稟議がおりない事がありました。しかしこの「unisize」は完全国産ツールということで隅々まで日本語です。英語に不慣れな方もまだまだ多い40〜50代を対象としている「ドゥクラッセ」さんが導入されたのも頷けます。偶然にも、家内に本原稿をみせたところ「先週これ使って、ドゥクラッセのコート買った!サイズ、ドンピシャでした」と、サイズにうるさい家人からも折り紙付きの「unisize」、まだ未実装のお知り合いのアパレルEC担当者さんに、1度ご紹介されてみてはいかがでしょうか。
株式会社ISSUN 代表取締役 宮松利博
営業時代に開発した顧客管理システムで営業業績を伸ばし1997年にシステムを売却。2000年、EC立上げ初年度で月商1億円に急成長するも数年後に上場失敗。新たなECを3年で年商20億円に成長させ、2006年株式上場。同年に保有株を売却し海外視察の後、2011年「小よく”巨”を制す」を掲げ株式会社ISSUNを立上げ、WEB/ECの運営・制作・コンサルティングで、業界No.1に成長するクライアントを多数抱える。