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2022年 年頭所感 小松英樹

年頭所感

新年明けましておめでとうございます。新春を迎えるに当たり、謹んでご挨拶を申し上げます。

昨年は、コロナ禍の影響や関連ニュースに日々翻弄され、それぞれの場で、新たなライフスタイルを模索された方が多かったのではないでしょうか。

しかし、その様な先行き不透明感を吹き飛ばすかの様に、越境EC市場は、大きく盛り上がった1年でした。実際に、私も自社サイトの海外販売で成功した企業や、個人事業主が海外プラットフォームへ出店して成功した例をたくさん目の当たりにしてきました。従来からの市場の成長性に加え、ポストインバウンドとして、これまでにない伸長を遂げた歴史的な年だったと実感しています。そして、今年もこの市場は更に明るい見通しにとなると考えています。ここで、その3つの理由を私の年頭所感としてお話ししたいと思います。

まず1つ目は、時勢です。1年前に多くの方が予想された通り、昨年はコロナ禍において、ECの重要性が飛躍的に高まりました。その中でも、インバウンドに期待できない、国内ECだけでなく海外へも販路を広げたいといった企業が越境EC市場に挑戦したり、在宅時間を活用した副業として、個人が海外への販売を始める状況や機会が増え、市場の拡大スピードが加速されました。それにより海外消費者も日本製品を気軽にECで購入する選択肢が増えました。時は熟したのです。

2つ目は、越境EC参入の技術面、金銭面でのハードルが従来に比べて下がった事です。数年前までは、越境ECといえば、欧米のAmazonやebay、中国のTモールへの出店が有名でしたが、成功事例や支援企業も少なく、言葉の壁、資金の条件などが困難で、撤退される例もよく耳にしました。同時に自社サイトで海外販売する企業数も少ない状況でした。しかし、最近は多くの海外プラットフォーム企業の日本進出や、カートシステムの充実など、越境ECを始めたい個人や企業をサポートする体制が大きく整い、個人が気軽に出店したり、中小企業が自社サイトで越境ビジネスを開始できるようになりました。また、サービスの多様化により、金銭面でのハードルも下がりました。今年も官民あげて、サポートの為のイベントが多く企画されています。

3つ目は、物流面の充実です。従来は、大手モールの海外在庫型以外は、直送型が主流だったのですが、その選択肢は国際スピード郵便の一択でした。しかし、それも一昨年、昨年とコロナ禍の影響でアメリカや中国向けを含む多くの国宛ての受託が停止されたり、制限がかかったりしました。その結果、市場の拡大にあわせ、多くの物流業者が越境ECの直送市場に注目することになりました。物流の足元は原油高やコンテナ不足、フライト減便に起因し、運賃が高騰しているのですが、多くの業者が競い合うことでEC企業や消費者の選択肢が増え、結果として郵便より安いサービスや早いサービスが生まれる環境が形成されました。在庫管理や発送代行を行うフルフィルメントサービス会社も増えてきていますし、国内物流大手の佐川急便が、越境EC物流サービスのCMをゴールデンタイムに流すことは数年前では考えられませんでした。

この様に、越境ECビジネスを取り巻く環境が充実し、明るい年が迎えられる事は、非常に喜ばしいことです。

是非、今年もこのマーケットで微力ながら、業界の発展の一助になるべく邁進して参りたいと思います。

最後になりましたが、本年がEC業界の皆様にとって、良い年となります様 心よりお祈り申し上げ、年頭のご挨拶とさせていただきます。

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 小松 英樹


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