JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会

JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会

最新セミナー・イベント情報
お申込みはこちら

その英文サイト、お客さまに響いていますか?

先日、アメリカ在住の日本人コンサルタントを講師にお招きし、「なぜそのサイトは、訪日客に響かないのか? ~ 効果的な訪日外国人向け英文ライティングとは ~」というタイトルで、セミナーを開催しました。

セミナーの対象は、東京オリンピックを控え、「取りあえず、日本語サイトを英訳したサイトはあるけど、これで本当にいいのかな?」と不安に感じているホテルや飲食業の方だったのですが、ECサイトの参考にしたいという方も多数参加されていました。
そこで、今回は上記セミナーの中から、皆さんにも役立ちそうなポイントをいくつかご紹介します。

【ポイント1:日本の「アタリマエ」は、外国の方にとっての「アタリマエ」ではない】

例えばホテルであれば、「ヘアドライヤーが、部屋にあるのかどうか」ということが、外国の方にはわからないそうです。
日本人は、「そこそこのホテルであれば、ヘアドライヤーが部屋にあるのは当然で、万が一なくてもフロントに言えば、すぐに無料で持ってきてくれる」ということを、「アタリマエ」に知っていますが、外国の方にとってはそうではないのです。

このようなことは、ECサイトの表記に関してもあるようです。
例えば、「外国の方には、ギフトラッピングの重要性がわからない場合がある」ということをご存じですか?

ラッピングをあまり重要視しない国は多いようで、せっかくきれいにラッピングしてあってもビリビリに破いて捨ててしまうのが「アタリマエ」だとか。
美しいラッピングに喜び、破れないようにきれいに開いて、アイロンがけをして、「もったいないから」「何かのときに使えるから」としまっておく日本人とはだいぶ違いますよね。

そうすると何が起こるかというと、せっかくギフトラッピングについて丁寧に説明したページがあっても、外国の方は、そのページをスルーしてしまうのです。

そこに1行、「日本人は、ラッピングをとても大切にする国民です。ですから、日本人へのギフトは、ラッピングが美しく丁寧かどうかということもチェックして選びましょう」とか「日本独自の美しいラッピングも、ギフトの一部です」のような言葉を書いてあげることで、外国人の方にも、そのページが重要だということが伝わります。

【ポイント2:ポリティカル・コレクトネスに配慮する】

>>> ウィキペディア(Wikipedia)より
ポリティカル・コレクトネス(英: political correctness、略称:PC、ポリコレ)とは、性別・人種・民族・宗教などに基づく差別・偏見を防ぐ目的で、政治的・社会的に公正・中立な言葉や表現を使用することを指す。 政治的妥当性ともいう。
>>>

上記を読むとなんだか難しそうですが、ポリティカル・コレクトネスとは、
「スチュワーデス」を「キャビンアテンダント」と呼んだり
「保母さん」を「保育士さん」と呼んだり
するようになってきた・・・アレのことです。
(ちなみに、「キャビンアテンダント」という言い方は和製英語に近く、「フライトアテンダント」が一般的だそうです。)

「キャビンアテンダント」や「保育士さん」のような例を通じて、ナントナク「職業については、性別を特定しない中立的な表現をした方がいいんだな」ということはわかっていらっしゃるかと思います。

では、敬称については、どうでしょうか?

私たちは、学校で、男性には「Mr.ミスター」を、女性の未婚者には「Missミス」を、女性の既婚者には「Mrs.ミセス」を付ける・・・と習ったと思います。
しかし、よく考えてみると、女性だけ未婚か既婚かを区別するなんて、おかしいですよね。そこで、最近では、女性に対する敬称に、未婚・既婚を問わない「Ms.ミズ」という表現を使うようになってきているそうです。英文のEメールを書くときなどには、ぜひ気をつけたいですね。

また、日本は単一民族・であるがゆえに、人種・民族・宗教などに基づく差別・偏見には、とても無頓着なのではないでしょうか?

例えば、私たちがごくごく普通に使っている「メリークリスマス」という言葉
Christmasは、Christ(キリスト)mas(礼拝)という意味ですので、クリスチャン以外の方に使うのは、とても失礼にあたるそうです。
ですから、最近では「メリークリスマス」に代わって、「ハッピーホリデー」と言うことがマナーになってきており、カードのメッセージなども「メリークリスマス」から「ハッピーホリデー」に変わってきているそうです。

日本語サイトを英訳しただけだと、このような配慮がなされていない可能性もありますので、要注意ですね。

【ポイント3:日本語を英訳しただけの文章は、冗長で相手に響かない】

日本語から英語に翻訳すると、文章の長さはほぼ2倍になります。
したがって、翻訳しただけの英語は、外国の方から見ると、どうしても冗長で要領を得ない感じになってしまうようです。
今回、講師をお願いしたPacific Dreams,Inc.代表 国際人事コンサルタントのKen Sakaiさんは、「マーケティングの文章としてはほぼ ”失格”」とおっしゃっていました。
ですから、本気で海外に向けてビジネスをしたいとお考えなら、単純に英訳するだけではなく、相手に響くような文章に“Rewriting”をする必要があるのです。
弊社では、今後Ken Sakaiさんと協業して、この“Rewriting”の分野に力を入れていく予定です。
本気で「海外に向けたビジネスをしたい」とお考えの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
https://gliese.co.jp/contact-form/
以上

JECCICA客員講師

JECCICA客員講師 江島 民子

株式会社グリーゼ代表
コンテンツマーケティングの専門会社株式会社グリーゼの代表、。日本オンラインショッピング大賞審査員、SOHOホームページ大賞審査員などを歴任。日本ネット経済新聞・ECzineなどに連載多数。


 - JECCICA記事, コラム, ニュース

JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会

Copyright© JECCICA ジャパンEコマースコンサルタント協会 , 2019 All Rights Reserved.s